RSSフィード:http://alpha-ralpha.com/diary/index.rdf
2005-09-01 悪夢。 [長年日記]
_ 真夜中に恐ろしい夢を見た。絵空事と思っていた過去の大虐殺の伝説や悪霊の存在は、夢の中では絶対的に真実であり、証明なしに信じるべきことだった。丁度、目覚めているときには、世界が自然科学の摂理に支配されていることを絶対的真実として認めざるを得ないのと同じように、それらは夢の世界を支配する法則だった。
夢の中の世界は、超常的で不吉な摂理に支配されている。その世界で私は、私の体が一部分ずつドリルのような器具や肉食獣の歯牙によって確実に損なわれていく過程の真っ只中にあるという事実に初めて気づいた。あるいはそれは私ではなくかけがえの無い私の友達の身に起こっていることだったかもしれない。どちらも同じくらい苦痛だった。わが身にそれが起こっていたとしたらもちろん限りなく苦しいことだろうし、愛する友が今確実に失われていく最中であって私には手の施しようが無いと言うことはまた大層苦しいことだった。
その友人が、「本当に見ないほうがいいこと、知らない方が良いことはあるものなんだ」、と不吉な言葉を吐いた。真実を探求することは正気の世界では幸福を追求する方法だが、夢の世界の中では不幸へと到る方法なのだった。私の身の上に起こる不幸で汚らわしい事柄は、がっちりと私を捉えて離さない。心の底から恐怖の叫びを上げた。叫ぶことだけがかろうじて正気を保つ方法だったのだ。実際に叫んでいたかもしれない。
目覚めてもしばらく、電灯をつけることができなかった。「本当に見ないほうが良かったこと」である何かが、見えてしまいそうな気がしたため。
不養生で我が身を損なっている日常への無意識的な恐怖の見せた夢だったのだろうか。本当に恐ろしく、そのくせ何故かまた懐かしく、そこに戻って行きたくて仕方ないと思える夢でもあった。
2005-09-02 休暇とって福島へ [長年日記]
_ [奥州街道] 本宮から杉田まで。
夏の名残を惜しむべく、休暇をとって福島県本宮町に出かける。初めて、新横浜から東京への新幹線を使ってみた。結構使っている人はいる。1320円出せば20分ほどで東京駅に着くというのは便利だと思う。東京からさらに新幹線で郡山、そして本宮。このあいだ休みだった歴史資料館で資料を2冊ほど買う。支払いの窓口が資料館にないために歩いて4分ほどの公民館へ学芸員の方と二人で行く。そこには図書館もあって、郷土史関係の本の所在を教えてくれた。「本宮の地名」という本を読むと、以前訪ね歩いた「五百川」というのは「京都から五百番目の川」の意味で、こんな伝説があるという:
京の殿様の子は乳離れが悪く、歯が生えてからも母乳を飲んでいた。あるとき乳を噛んでしまい、その傷が元で母親は亡くなってしまう。父は激怒して家来に、その子を京より五百番目の川まで行って捨てて来いと命じた。子と家来は陸奥へ向うが、500番目の川に着く頃には情が移って子を捨てることができない。そこでその地を京に見立てて永住することとした。それで付近には「祇園」という土地もある。ところで現在の五百川は、実は京から499番目であって、本当の五百番目の川は非常に小さな川だったので五百川という名はその一つ前の大きな川につけたということである。
他にもこの川にまつわる伝承はあるようだったが、上記の話の面白いところは、恐らくは正確な数ではない500に対して、さらにあえて一つずれているというような500という数字の正確さを強調するようなところだと思う。
そんなことを調べてから、昼食をとってから歩き出すが、この日は奥州街道から東へ西へとエクスカージョンが多く、最終的には全然街道筋とは異なる道を、隣り駅の杉田まで辿っていって電車で二本松へ行き宿泊。「おにぎりの店 みよし」にて飲みかつ常連の方々と打ち解けてしまい、ビール一本おごっていただいた。
私のようにいろんなものを省みずに好き放題の気ままな旅をする者は、「でんどう息子」だ、と言われた。いなくて良い人、という意味らしいのだが、語源が知りたいばい。語尾の「ばい」の使い方は正しくないかも知れない。
2005-09-03 [長年日記]
_ [奥州街道] 本宮から二本松へ。
昨日は20kmほど歩いたにもかかわらず、そのうち奥州道中と重なる部分は1kmにも満たなかったため、改めて二本松から電車で本宮に戻り、奥州道中を歩く。歩きつつ、「自分は『でんどう息子』なんだなあ」と思い出す。
今日は中世の舘跡を一つと、平安末期ごろの郡衙(ぐんが:役所のようなところ)と推定される郡山台の二箇所がエクスカージョンである。ここを過ぎると舘の跡はあまり無いようだ。平安期や中世の考古資料というのは余り多くないらしいから、もはや単なる小高い丘でしかないような舘の跡というのも、それなりの気持ちで訪ねることができる。歴史を示す何物も見当たらなくとも、その土地の地形を見ていろいろ想像することは楽しいことだし、その想像を確認するために後日いろいろと調べることはまた楽しいだろう。さらに事前知識があればあるほど実地で楽しめることはもちろんのことで、街道を貪欲に楽しむためには実際に歩く前にいろいろなことを調べておくのが良い。東海道を歩いていた頃にはここまでビョーキが進行することは予想していなかったし、歩くことだけで気力を使い果たしていて地形を楽しもうなどという頭は一切働かなかった。歩きに馴れてきて、歩きつつ多少頭を働かせる余裕ができてきたおかげなのだと思った。
それでも、地図に石段の記号が描いてあったりすると、うんざりする。
ともかく無事に二本松までたどり着いたが、その頃には日も暮れていた。またしても「おにぎりの店 みよし」でビールとおでん、おにぎり。歩いていて良くわからなかった地名の読み方などママさんに教わってきた。午後11時過ぎに帰着。
2005-09-05 [長年日記]
_ [読書] 『検事の現場検証』
以前古本屋から送ってもらって、鼻毛の件で送り返したという曰くつきの『検事の現場検証』(村上久著、中公文庫、1986)が昨日届いていた。今日開いて中をぱらぱら確認。美本の類でほっとした。読むのはもう少しあとになるなあ。
_ [漫画・アニメ] 『エマ』第6巻/『鉄腕バーディ』第10巻
今日は雨。会議が一つ。そろそろ上期の締めだなあ。
にも拘らず、漫画は読む。そりゃあ読むといったら読む。
で、2冊横浜有隣堂トーヨー街で買った。『エマ』は買ってすぐ、近くの喫茶店アポロでプリン食べながら読んだ。ここのプリンは8時間かけて焼く。私の中では最高に旨いプリン。ソフトクリームもついている。帯に「まさかこのような出来事が起こってしまうなんて」などというアオリが書かれていて、(たかが恋愛沙汰に大げさな…)と思っていたが、読んでみたらものすごい展開になっていた。このアオリは作者・森薫の叫びだな。何が起こったかはネタバレになるので秘密です。
『バーディ』はネズミが出てきてさらに面白くなってきたけど千明くんが可哀想。裏表紙を見ると「二心同体SFアクション」って書いてあった。どういうジャンルだ。
_ [読書] 『老年期の心理学』(読了)/『死ぬ瞬間』
横浜図書館で借りた『老年期の心理学』(福屋武人編、学術図書出版社、2004)、一応読了。大学のテキストという感じの本だが、今までに考えたことも無かった老人の心理というものを少し判った気がする。身近な人たちが次々死んでいく喪失感や、肉体の衰え、死を目前に控えているという、壮年期までの人々とは異なる特殊な状況の中に、老人たちは居るのだということが、ある意味新鮮だった。そんな状況の中にあっても、人間というものは最後まで希望を捨てないらしい。その希望は苦痛のない死や、死後の世界であったりもする。
というわけで、『老年期の心理学』に参考文献として載っていた幾つかの本に興味がわいたが、とりあえず『死ぬ瞬間』(キューブラー=ロス著、中公文庫、2001)が入手しやすく面白そうなので、買った。読むより早く買ってしまうのはどうしたもんだろうか。まあいいや。図書館で借りた本たちの返却期限にも追われている…
2005-09-06 寝不足 [長年日記]
前日深夜アニメを見てしまって寝不足。『ガン×ソード』のヴァン、カッコいいなあ。9月発売のDVD買うかどうか迷っている。
_ [栗山千明] 栗ちぃが暴力団幹部に…
Googleアラートに「栗山千明」を登録している。
今日届いたメールには、中日スポーツの記事が。
…スティーブン・セガール(55)が主演する映画「イントゥ・ザ・サン」(ミンク監督)が、11月26日に日本で緊急公開される。…セガールは、日本育ちのCIAエージェントにふんし、暴力団とマフィアを相手に関西弁でたんかを切り…共演は、財界の大物役に寺尾聰(58)、入れ墨師役に豊原功補(39)、暴力団幹部役に伊武雅刀(56)、栗山千明(20)ら。コロッケ(45)も特別出演し、セガールの恋人が経営するクラブで、野口五郎や五木ひろしらの物まねも披露…
_ 「キルビル」をさらに品悪くしたような感じかなあ。
そして私は次の結論に達したのである。
_ 「栗山千明にはNGは無い」
_ どんな役でもやってくれるんだ、という意味。アロエヨーグルトの変な踊りを見てそう思ったのが最初だが。
2005-09-07 乱数とケーキセット [長年日記]
仕事でいろいろな分布関数に従う乱数をつくらねばならない。簡単だと思ってたが結構めんどうだ。一様乱数はRが勝手にメルセンヌ・ツイスターという方法で質のいいのを作ってくれるのが助けになる。
近頃、とりわけ平日は酒を全く飲まなくなった代わりに、良くケーキを食べている。あちこちのケーキセットを食べ散らかしているが、まだ「これは」という決定的な店に出会っていない。ケーキはどこで食べてもそれなりに甘くて旨いからなあ。一番いいのは自宅でコーヒー淹れて不二家のケーキを食べることだが、うちは散らかってるからねえ。
今日はルノアールでオレンジムースとブレンド。お茶がサービスで出るのがうれしい。
2005-09-08 [長年日記]
_ [コンピュータ] ホームページビルダーを購入。
いつかは買わなきゃならないよな、と思っていたIBMホームページ・ビルダーV9の学割パックを購入。マイクロソフトのアカデミーパックは、学生の条件が「学割定期の買えること」ということだったと思うが、こちらはそういう条件ではないみたい(選科履修生には学割定期券は買えません)。
まあともかく、今まで使っていた(よくもまあ今まで…という感もあるが)Frontpage Expressではshtmlファイルがイメージで表示できないとかHTMLの表示も編集も非常に不便なので別窓で秀丸エディタ(もちろんちゃんと4000円払って使ってます)を開いてタグを編集したりとかしていた。前期旧石器時代から弥生時代くらいに飛んだ気分。まあしかしコンテンツはそんなに飛躍的には進化しないだろうな。
2005-09-10 [長年日記]
_ 前期試験結果、届く。
放送大学の試験結果が届いていた。今回は自己採点の結果からはあまり期待できないと思っていたのだが、受けた2科目共に○Aで通っていたのですごく嬉しい。後期の勉強の励みになろうというもの。でも下期も2科目だけ。
_ [栗山千明] 『いつかA列車に乗って』見る
DVD『いつかA列車に乗って』が届いて、すぐに見た。監督は荒木とよひさ。内田吐夢の「たそがれ酒場」のリメイクなんだそうだ。愛川欽也とか穂積ペペとか小倉一郎とか、見かけることの少なくなった俳優が出ていてちょっと懐かしい感じがする。この映画を見るということは、ずっとジャズバーの中で起こるよくある事件の数々を100分ほど見続けるということだった。しらふで見ているとなんだか苦い気分になるのは、自分の酔い様を思い出してしまうせいだろうか。
それはそうと栗ちぃ。ウェイトレスの役というのがなかなか新鮮。後ろに束ねた髪もいい。
そして私は劇中最後の方で津川雅彦に殺意を抱いたのだった。
2005-09-11 [長年日記]
_ [コンピュータ] ホームページを編集。
ホームページビルダーを使ってここ数日、もう数ヶ月ほったらかしのHPに手を入れる。サーバーも新たに用意して、今まで幾つかのスペースに分散させていたコンテンツをまとめようとしている。
今までのページはどれもこれも、見返せば大変稚拙なものに見えるのでどうしてもちまちま手を入れてしまうから切が無い。
ビルダーを使うとバナーとかボタンとかが楽に作れるので、PSPと組み合わせて幾つか作った。テンプレートそのままじゃ気が済まないもので。JavaScriptで悩んだり、cgiがサバエラおこしたり、改めて面倒くさいもんだなあと思うのである。なんやかんやでお披露目は11月くらいという目標。
_ 選挙行った
一応選挙に行った。一応というのは候補者や政党の吟味を一切しないで票を投じたから。国民の義務だとは言え、自分の政治に対する問題意識がはっきりしないのに投票するというのはかえって無責任な気がする。
自民党が強いなあ。
2005-09-12 [長年日記]
_ [読書] 『検事の現場検証』(読了)/また本を買い込んでしまった/『医学的心理学』
『検事の現場検証』読了。全てのページにわたって、鼻毛は一本もついていなかった。まあさておき。この本は1979に出た本の改訂で、扱っている事件自体は昭和30年代にさかのぼるものもある。検事、という仕事の中や警察の初動捜査のようすなどが良くわかって面白かった。濃鑑、敷鑑、土地鑑、キャップ、賍物(ぞうぶつ)という言葉が出てきて意味がわからない。警察用語のようだ。「人間の犯罪に関する心理というものはおかしなもので、自分の犯行についてはひと通り自白しても、死体や凶器などの隠し場所や捨て場所等については妙に供述を渋ったり、虚偽の供述をするものだ」
東海道に関係した本を三冊買った。『街道の日本史』20、21、『東海道の宿場と交通』。
3番目のものは静岡新聞社から2000年に出ている。10冊のシリーズもの。そろえたくなっちゃうじゃないか。本を買うために生活費を削り、本を読むために睡眠時間を削るような生活はイヤじゃ。
クレッチマーの『医学的心理学』を少し読み出した。みすず書房、絶版。借りてる本だが、返して古本を探そうと思う。
_ 道への思い。
道歩きの始まりは健康のための近所のウォーキング。飯やビールやタバコがたまらなく旨く感じられるようになると、たいていは東海道を歩き始める。500キロほどの道をすべて歩きおおせた経験を一度自分のものとしてしまえば、それからの生活は一変する。仕事中にふと「そぞろ神」にとりつかれたり、通勤途中天気が良いとそれが道祖神の招きのように思えたり。誰が待っているというわけでもないが、行けば自分をずっと待っていたかのように彼の地の景色が、風化寸前の石碑が、そこに暮らす人が、地名だけになってしまった舘跡や城跡が迎えてくれる。そのことは行く前から信じて良いし、決してその期待が裏切られることは無い。
HPを作り直しながら、自分の旅を振り返っている。東海道は2年、中山道は足掛け4年、そのあとは急展開とも言えるほどで、一年の間に太平洋から日本海まで地の裂け目に沿って歩き、日光街道も済ませた。今は北を目指す回帰の旅と心得ている。
歩いている人々のHPには素晴らしいものが沢山ある。狛犬だの一里塚だのマンホールだのの画像をつぶさにアップするというのもずいぶん普通のプレゼンテーションになっているようだ。私の旅の記録はそんな中にあってどういう位置を目指すべきなのだろう、と思う。別に何にも目指さなくてもいいのかもしれないが、単なる街道好きのおじさんにとどまって居たくないという、いささか大それたイタイ想いが日増しに強まる。
どこまでも理解を深めていくためにいろいろ調べること。そのためにできる限り一次資料をあたること。それが理解できるための基礎体力をつけること。効率悪いが、要領の悪い私にはさしあたりそれしか思いつかない。けれど、それは楽しい活動でもある。全ては快楽のためであり、その快楽のためのこと自体がまた快楽になっている。もう逃れられません。
2005-09-13 [長年日記]
_ [読書] [交通史]『東海道の宿場と交通』/『律令』『延喜式』
ここんとこよその会社との仕事がなかったが、久し振りに外出。他社の人と話すのもたまには悪くない。
帰りに図書館へ。『東海道の宿場と交通』(静岡新聞社)を読んでいるうちに、『律令』とか『延喜式』に何が書かれているのか気になりだした。交通史のコーナーにも律令政治の頃の交通に関する本がたくさんある。律令の頃の官道は幅が20mあったり、目的地に向って直線的であったりという、計画道路であったという。このことは放送大学の「考古学と歴史」で習って知ってはいた。『律令』で、ほぼ全体が伝わっているのは『養老律令』で、有名な「大宝律令」は散逸してしまっており、他の古文書にリファーされている部分をうかがい知るより他は無いのだということを初めて知った。律令も延喜式も漢文。やはり漢文に親しむことが大事だと思う。『延喜式』は分量も項目も多く、各部に何が書かれているのかを著す目録の如きものが欲しいと思う。
2005-09-15 急に涼しくなった [長年日記]
急に涼しくなったからだろうか、2日ほど前にクシャミが続き、昨日はくたびれて早く寝て、今日は膝が痛い。ぐっすり眠れるならいいや。夏の疲れが出てきたというのもあるだろう。
公と私の使い分けのリズムがある程度できてきたかな…と思っていたのに、思いがけず仕事が詰まりつつある。ここでがんばりを見せると後々のためにならないような気がする。やれることをやれるだけやるだけだ。無理はしない、絶対に。
2005-09-16 貧弱な検査特性。 [長年日記]
_ [統計学] 抜取検査の検査特性、
というのはOC曲線というものであらわされる。これは横軸に製品ロットの不良率をとって、縦軸に、ある検査を行なった結果そのロットが合格となる確率をとったもので、不良率と共に単調に減少する曲線である。それはわかった。まっとうな検査の場合、不良率がゼロのときは合格率は1となり不良率が1のときは全然合格しない。それもわかっていたつもりだった。
40年ほど前に書かれた教科書を読んでみると、変曲点の無いOC曲線であらわされる検査は貧弱である、と書かれていた。
わたしが描いたOC曲線は、その「貧弱な検査特性」そのものだったので、ガクゼンとしている。
見なかったことにするか…。いやできない。
2005-09-17 二本松観光。 [長年日記]
_ [奥州街道] 二本松。
福島県二本松市を徘徊。
歴史資料館で入手した資料を見ると、先回の旅で見つけることのできなかった、「七夜桜の碑」と「姫小松の碑」のある場所が書かれていた。ちょっと迷ってからタクシーで少し杉田駅の方に向う。「七夜桜の碑」は以外に簡単に見つかった。「姫小松の碑」は良くわからなかったが、とある家の庭に、「あれかな?」と思わせるような石があったので家の方に訪ねてみると、「それはただの庭石ですが、私のうちの茶室の側に見える松の木の下にあります」と言う。私道を進むと確かにあった。種字の書かれた中世の供養塔婆。高さ2mほど。これは聞かなきゃわからない。
JRで二本松に戻り、二本松城の石垣を眺めに行く。その後城山をぐるりと一周。この日、福島駅そばの藤金旅館泊まり。かつて竹久夢二の宿泊したことのある宿。安くて、いい部屋。夕食、サンルート1Fの箸屋惣介。チャーシューの手巻きおにぎりに感動。
2005-09-20 『今に生きる朝河貫一 その生涯と業績』/『コドモのコドモ』第3巻 さそうあきら [長年日記]
_ [読書] 『今に生きる朝河貫一 その生涯と業績』安積歴史博物館、2004。
これは83頁の小冊子で、先の二本松(福島)歴史資料館で入手したもの。朝河貫一、1873-1948、歴史学者でありその活躍の場はアメリカ。日露開戦の際は日本の正義を主張し第二次大戦においては開戦を避けるべくルーズベルト米大統領の昭和天皇宛親書を起草したとある。博士論文は大化の改新に関するものだったというので読んでみたい。これは早稲田大学から英文が出ているようだが、読むとなると国会図書館か東京大学図書館辺りに行く必要がありそう。
そんなことよりも一番驚いたのは、この朝河貫一博士という人こそ、英語の辞書を覚えるのにページを破っては食べたという、あの伝説のその人であったということだったのである。
2005-09-21 夏の疲れということにしておこう。 [長年日記]
_ 少し涼しくなったと思うとなんだか体がだるい。
最近は治りも悪くなったからだろう、風邪を引くのが怖い。
ここ1週間ほど漢文と万葉集の勉強もサボり続けてるなあ。
仕事、佳境に入りつつあるようで興味も沸いてきているが、私の処理能力は非常に貧弱。
ゆるゆる鍛えつつ休養はしっかり取ることを心がけたい。
_ [読書][交通史] 『東海道の宿場と交通』(読了)
『東海道の宿場と交通』渡辺和敏著、静岡新聞社刊、2000。本日読了。
東海道双書全10巻の第2巻である。
本書の初っ端のところに、「旅」という語の語源についての言及がある。他家にて煮炊きをする「他火」である、交易を求める「給(た)ぶ」の命令形「給べ」が転じた語である、など。
『万葉集』に、阿須波(あすは)の神に旅人の無事を祈る歌がある、と書いてある。「庭中の あすはの神に小柴さし あわれ祝む 帰りくるまで」
これは『旅行用心集』に載っていることなのだそうだ。そういえば現代語版を買ったっきりにしていたのを忘れていた。
さてこのシリーズ、あと9巻あるんだが、どうしようかな。1冊1600円ほど。絶版恐怖症なので積読が増える増える…
2005-09-22 『関所抜け 江戸の女たちの冒険』 [長年日記]
_ [読書] 『関所抜け 江戸の女たちの冒険』金森敦子、晶文社、2001年。
昨日から読み始めた。積読の一角。江戸の女たちといっても出てくるのは秋田の女性である。なかなかスリルのあるタイトルなのだが、読んでいるうちに、庶民の女性にとってはさほどには関所抜けが困難なことでもなかったらしいことがわかってくる。参考文献が豊富に出ており、清河八郎や吉田松陰の旅のことにも触れられている。その文献の中に十辺舎一九の「続膝栗毛」が出てきて、そうだ、これ読まなくちゃ、と想い出したのだった。
_ カメラの修理に約2万円
修理の終わったカメラを引き取ってきた。傷だらけだなあ。でもイトオシイクールピックス885。手の中にぴったりとはまる感じ。明日はこれ持って出かける。
2005-09-26 [長年日記]
_ [食べ物・飲み物] 涼しくなったから
涼しくなったから、料理を再開。夕べ炊いた栗おこわは、今朝方になって旨くなっていた。炊き立ての昨日は妙に栗が甘く感じたのだった。そして細竹と蕗と大根の煮物。ニシンを入れようか迷って止めた。味噌汁は赤だしが旨い。今日は塩胡椒の豚肉ソテーを添えた。
栗飯を食めば熱狂の夏が終わり冬を迎える心地に少しずつ近づいてくる。極軽い鬱症状が出る。夜長になる。夜更かしになる。
今後の目標は「ニシンの山椒漬け」を自作することだが、山椒の葉を入手するのが難しそうだ。対策は二つ。
1.春先に苗を買って育てる。
2.コブミカンの葉(バイマックルー)で代用する。
2の方が現実的だろうか?会津の人見てたらアドバイス求む。
2005-09-28 数ヶ月ぶりに抗鬱薬を飲む。 [長年日記]
_ 随分寝たのだが気分優れず。抑鬱状態だ。ここ何ヶ月も飲んでいなかった抗鬱薬を飲んで会社に向う。
その後気分は多少持ち直したが、明日はゆっくり休養を取ることに決めた。
風邪と一緒ではじめが肝心なのだと思うゆえ。
思えば道歩きに読書にと、少し無理しているきらいはあった。
_ 『上代の日本文学』
放送大学「上代の日本文学」を読んでいる。半分以上「万葉集」。この後は「懐風藻」などの漢文や記紀、風土記など。ここからが面白いと思う。詩歌の如き芸術は今ひとつ味わいにくい。人間としての共感能力が足りないのだろうか。
2005-09-29 今日は休養… [長年日記]
しっかり休養のつもりが、むずむずと横浜中央図書館へ行く。赤坂が何故か千代田区にあると思い込んで『千代田区史』を予約してきてしまった。その後気づいて港区史をぱらぱらめくる。都内の史跡めぐりのガイドブックを見つけた。帰宅してからネットで調べたら当然の如く品切れ本。しかし東京は街道の起点だからそれなりの参考書が欲しいよなあ…。この学生社刊「東京史跡ガイド」のシリーズは区史の編纂に携わった人たちが書いているのでなかなか良さそう。探せばまだある。しかしまた本代が…
_ [読書][郷土史] 『相生集』届く。
風呂に入って頭を洗ってたら宅配便が来て慌てふためく。いつもの佐川のお兄さんだ。二本松市教育委員会から『相生集』が届いたのだった。「二本松封内図」なる古地図が付いていて、長者宮(安達郡衙のあったとされる場所)や安達が原の黒塚などの地名が見える。一度目に見つからずに二度目に見つけた七夜桜の碑の割れた写真も載っている。後世復元されたのだとわかった。これは読み甲斐がある。上下5000円はやはり安い買い物だった。_ とりあえず「上代の日本文学」読む。
放送大学、来週日曜から講義スタート。
講義に先駆けてとりあえず「上代の日本文学」のテキストを読み通してみた。試験までにはもう一度は読み通し、かつなるべく参考書も紐解くようにしたいものだと、今は思っているのだが…
今日も自炊した。学生時代からの定番、肉野菜炒め。いわばソウルフードみたいなもの。+αでサンマの刺身。ウマー。
2005-09-30 会社では今…そんなことより。 [長年日記]
_ 会社では今、今後5年ほどにわたって如何になさんとする計を立案している。
毎年のことだが、今年は去年より関わっているので疲れる。
そんなことよりも街道行脚だ。
明日私は新たにまた鹿島立ちを行なう。
今度の起点は日本橋ではなく赤坂御門。
これは大山街道・矢倉沢往還の道のはじまりなのである。
私には馴染み深い、国会図書館前の道や、道玄坂などを通る。
都内には近代現代の史跡が多いから、せいぜい世田谷までだろうと思うが。