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2012-11-25 [長年日記]
今朝の飯。車内販売は無く、新宮駅近傍にはコンビニも見当たらず。なので、ラション(行動食)の残り。近頃のコンビーフは缶では無くなって食べにくくなったが、空腹時の頼れる一品。
_ [テレビ・ラジオ] カルチャーラジオで。
「カルチャーラジオ」はNHKラジオ第2の番組で、今夜は立教大の上田恵介先生のカッコウ類の托卵をめぐる話題だった。カッコウはウグイスの巣に卵を産む。カッコウのヒナは背中にくぼみを持っていて、そこに他のウグイスの卵を載せて巣の外に落としてしまう。親ウグイスはカッコウのヒナにせっせと餌を与えて育てる。ここまでは良く知られたことと思うが、ウグイスもいつまでもやられっぱなしということではなくて、鳴き声の違いその他の差異を見つけてカッコウを排除するような行動を起こす。ウグイスの卵は4つと決まっているそうで、これらを押しのけても自分が一羽でないように見せかけるために、ウグイスのヒナ4羽分の餌乞いのさえずりを1羽でするんだそうだ。まるで、友達がいなくて選曲もマニアックすぎるせいで一緒に歌ってくれる人がいなくて、ツインボーカルとコーラスを全部自分ひとりで歌う俺のカラオケみたいだ。ジュウイチというカッコウの仲間はジュウイチと鳴くからジュウイチなんだそうだが、これは卵を託すルリ(ちなみにルリという名前は女の子につけるけど、瑠璃色してるのはオスだけらしい)が地上に近いところに巣を作るため、ヒナは鳴き声を出さないらしい。そんな場合にジュウイチのヒナは、やはり自分独りではないように見せかけるために、両肩のところだけ黄色い皮膚が露出しているのだという。この黄色がヒナの頭であるかのように振舞うのだそうだ。托卵する鳥はフリーライダーに比することができると思っていたのだが、ここまで健気な戦略を実施していることが分かると、それも生き方だと少し見なおした。ク・リトル・リトル神話の物語の中に、人間に擬態するとても人間とは似ても似つかない生物が出て来ると思う(実はラブクラフト関係はほとんど読んでない。映画『ネクロノミコン』見てそう思ってるだけ)。なんかチョウチンアンコウみたいに、触手の先に人間のギミックをつけてるような奴。そういうのを思い出して気味が悪くなった。人間社会にも、そういう気味の悪い戦略で生きてる奴はいるんだと思う。
結局、進化と言っても個体が進化するということはなく、排除されずにすんだ形態や行動様式が生き残ったということだ。「進化せよ」なんて組織の上層部から良くそんな言葉が出てくるが、個人ができることは進化ではなく適応だけなのだ、と気付いた。進化の方向が分かっているのならば、その方向を目指そうとする個人の挙動が、適応的であるものと見なして適切に評価すべきなのである。まあ俺にとっては、彼氏がよそ見してる間に瞬間的に彼女とまぐわってさっさとすまして知らん顔してる『スニーカーオス』戦略くらいが好ましく思われる。