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2016-10-09 [長年日記]
_ 秋。
うちの近所もずいぶん人の住まない家が増えてきた、と、ちょっと前までは思っていたのだが、このごろはその家を取り潰してアパートを建てる工事が並行していくつも進んでいる。工事中の建物を見て玄関の数を数えると、全てが完成して満室となると、同じ町内の人間が30人以上は増えるという見積もりになる。現状の倍くらいだろう。同じごみステーションを利用する人が2倍を超える。新築の建物は見た感じあまり広い部屋にはならないようだし出入りが不便でとても高齢者住宅ができるような立地ではないから、そこに住むのは学生や勤め人としてもまあほとんどは私よりも年下の方々となることだろう。私は彼らのモラルの程度がどれほどのものかと言うことに密かな危惧を抱いている。
その建築中のアパートを見ていると、工事の為にもとは日陰だったところが露わになった場所があった。その白日の下にさらされたところを見るとオレンジ色の卵型の物がぶら下がっている。カラスウリだ。私はこれが下がっているのを眺めるのがなぜか好きなのである。北海道と言う、内地(昔の道民は『本州』のことをこう呼んでいた)とは植生の違う土地に生まれ育ったせいなのだが、図鑑や教科書にそこらへんに普通にみられるものとして載っていたこの植物が生(な)っているのを見たのはこちらで住まうようになっておそらくは30歳を過ぎてからのことだったに違いない。色の無い冬の風景の中でうすら寒い風に揺られるこの実を見るのは、何とも言えない穏やかさと淋しさのようなものを感じさせる。どうせ誰も顧みることの無い物と思い、蔓ごとむしり取って我が家のムクロジに絡ませてみて、悦に入っているところ。カラスウリにはオスとメスがあるので実をつけるまでに自家で育てるのは難しいかもしれない。一度、秦野の弘法山に遊んだ時、登山道で実を見つけて種を持ち帰り、庭に植えたことがある。キュウリに似た可愛らしい葉が出てきた頃、その葉の色と全く同じ色をしたトゲトゲのある虫にすっかり食べられてしまったことがある。きっとウリ科の植物専門に食い荒らす虫なのだろう。どこから嗅ぎつけてくるのか驚いた。以来カラスウリを自家の物とすることには憧れ続けていた。だがあの虫がまた来るのかと思うと、なかなか種をまた植えようという気にならないが、失敗しても何か問題があるのだろうか?また植えてみたら良いのではないか。今、手元に3個のカラスウリがある。何度か試すには十分な気もするのである。
件の害虫はウリキンウワバと言うらしい。菜園を始めるとすぐにこいつの被害にあう人が多いらしく、「クソ害虫ども」とか呼んで蔑んでいる人がたくさんいる。気持ちは分かる。成虫は見たことないなー。
カラス貝も好きです
ニタリ貝は好き?