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2005-08-04 [長年日記]
_ [読書] 玄侑宗久「水の舳先」「中陰の花」
郡山の博物館・文学館で玄侑宗久という人を知ったので、その著作『水の舳先』『中陰の花』を入手。前者は図書館で借りて後者は文春文庫で買った。この現役の坊主である芥川賞作家は安積高校出身。まずは『水の舳先』を読了。あちこちの寺を訪ねる機会が多い私には現役の坊主の著作は興味深く読めた。
寺には、史跡、坊主の生活の場、宗教的奇跡に関係する(あるいはそれを予感させる)場、公園的な場、墓所を管理するための場などといったいくつかの面があると思うのだが、現代の寺には公園的な性格は希薄であり一般者にとっては墓所の管理所としての意味合いが強いかもしれない。史跡として以外の全ての性格を失った寺が廃寺であるが、廃寺のことはとりあえず玄侑宗久氏の著作とは関係無いだろうな。