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2005-08-14 『神仏習合』(読了)/『日本縦断徒歩の旅』/いがらしみきお『ペケペケペケル』1,2/近藤ようこ『絹の紐』 [長年日記]
_ [読書] 『神仏習合』(読了)/『日本縦断徒歩の旅』
『神仏習合』を読了。いろいろと知らなかったことを知らされて勉強になる。
知らなかったこと:(1)八世紀後半から九世紀前半にかけて、日本の神々が自らの罪を悔いて仏道に帰依する動きがあった。神であることが罪であるというのである。神宮寺を建立する動きがこれに続く。(2)律令制の支配は各地土着の神話信仰を全国的にまとめあげることでなされた。中央から班給される幣帛(みてぐら)を介して行われた。(3)最終的には天照大神さえ仏道に帰依し、その本地は大日如来とされた。(4)御霊信仰は奈良末から平安初頭に始まり、政変を企てたとして誅された橘逸勢や早良親王(後、祟道天皇と追称される)などに対する共鳴と当時の災厄の原因をその祟りと考えることから始まる。天神信仰や祇園祭がその頂点。(5)宇多法王は菅原道真の祟りを避けるために息子二人を密教僧とし、その目的は成功した。
_ 『神仏習合』は岩波新書の赤で、もっと歴史や民俗に関わるものが読みたくて物色しているうちにふと『日本縦断徒歩の旅』(石井文洋著)というのを見つけ、居酒屋で一杯やりながら1/4ほど読む。2003年著者65歳の時に宗谷岬をスタートし半年ほどで沖縄喜屋武岬に到着。ごく最近の歩き旅の記録であり、トンネルの中の歩きがイヤだとかコンビニは歩き旅のオアシス的存在であるとか、共感できること、非常に多い。歩き始めたきっかけはいろいろあっても結局歩くことが好きだから、とのこと。日本海側を歩くルートの総計は3300kmほど。私は98年頃からおちこちの街道行脚を始めて今総計2000kmを越えている模様。「2センキロ」を「2メガメートル」なんて言ってみたりすると膨大な距離を歩いたような気になる。