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けいりう堂日記

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2005-08-27 神保町へ /「永仁の壺」/『ファンタジックチルドレン』DVD第6巻 [長年日記]

_ 神保町へ

一月振り位だろうか、神田神保町へ。目指す心理学書は見当たらず、彼方此方の古書店を巡るも収穫は特になし。愛する神田伯剌西爾でコーヒーとガトーショコラ。夕食は地元に戻ってから取った。心理学書はネットで探すことにしよう。

_ [読書] 『永仁の壷』

図書館から借りてきた『永仁の壷』(村松友視著:おっと"視"の字の偏は示なんだが)を読み始めた。横浜市立図書館で借りられる本は6冊までで、現在6冊借りていると言うのに、予約していた本が今頃になって用意できたというので、最低一冊はさっさと読んで返してしまわねばならない。

村松さんの作品を読むのは『海猫屋の客』を読んだ97-98年頃以来ということになる。

海猫屋というのは北海道小樽市にある喫茶店と言うか料理店と言うか、ライブもやったりする大きな倉を改造した店で、道内に住んでいた頃には特に行きたいと思っていなかったのが、横浜に越してきて7-8年ほど経った頃に小樽や函館の和洋折衷建築や倉などを痛切に見たくなって、実家にも告げずに密かに新潟からフェリーに乗って大晦日の3日前ほどに出かけた際に初めて行ったのだった。早朝の暗いうちに小樽に着いて、おぼろげに記憶していた日銀の曲線の勝る建物の前の凍った道を滑りながら海に向った。雪の無い土地の暮らしが長くなって、急坂を滑って転んだら海まで転がり落ちていくのではないかと言うほど雪道の歩き方を忘れてしまい、現地でトレッキングシューズを買った。ウォーキングにはまるきっかけになった箱根歩きは多分明けた年のゴールデンウィークにこの靴を履いて、だったと記憶する。

まあそんな思い出が『海猫屋の客』にはあって、わたしの放浪癖もそこから始まったということで村松さんは私にとってはそういう特別な作家なのだが、熱烈なファンということではなく『時代屋の女房』を読んだか読んでないかも記憶があやしい。

『永仁の壷』は贋作事件を扱った書き下ろし作品で、昭和11年に捏造が発覚したこの事件に絡む人物たちは多くこの世を去ってはいるものの、まだすっかり忘れ去られるほどの時間を経てはいないと思う(が、私がこの事件を知ったのはほんの数日前のことで、前期旧石器捏造事件を調べているうち何かのついでに知ったのだったが)。そういう最近の事件を、作家はどのように小説にするのかという興味がこの本を読もうと思ったきっかけ。主人公は村松氏自身と思われる「私」。その「私」が、「私」を主人公とする小説をこの小説の中で書いている。

"私の小説の中の私が書いた小説の中の私"、に行き当たり、一体何層上に上れば現実の層に戻れるのかと不安になってしまった。まあ作のテーマとは関係が余り無いことだ。

真偽を問うテーマを扱う小説は、(『ヴァリス』関連作を書く前のP.K.ディックの作品がそうだったように)作家と登場人物と読者それぞれに対して、それぞれの存在の真偽を問わずにはおかないものとなってしまうようだ、と思った。私が前期旧石器遺跡捏造事件を辿りながら感じていたのも、全くそのような危うい気分だったのだと思う。この気分にとらわれてしまったら最後はデカルトのたどり着いた境地までたどりきらねば収拾がつかないのかもしれない。あるいはこれをきっかけにルーツ探しなんかはじめたりもしかねない。しかし、いつでも戻ってこれるように用心しなくては。

_ [漫画・アニメ] 『ファンタジックチルドレン』DVD第6巻

『ファンタジックチルドレン』DVD第6巻見る。ヘルガがティナとしての記憶を取り戻し、物語が結末へと急行していく。トーマの秘密も徐々に…。「ティナ」と言うとどうしてもティナ・ターナーの顔が思い浮かべられてしまうのは仕方ない。そう言えば大学の頃、学食のラーメンコーナーにティナ・ターナーに似たおばちゃんがいたっけ。そこで良くジャンボラーメンを食べたんだった。どうでも良い記憶だが。

来月の第7巻でとうとう終了、だよね。DVDは欲しいのが一杯あるんだよなあ…今放映中の『ガン×ソード』も買っちゃうんじゃないだろうか。すると当分月に3本のペースが続いてしまう。本代も馬鹿にならなくなってきたしなあ。なるべく図書館を利用するようにしているけど、良い本は、たとえ数年に一度しか見なくたって、どうしても参照したいときと言うのがあるので手元においておきたい。

だから人に本を貸してなかなか帰ってこないとすごく腹が立つんだよな。そのくせ狭量な人間と思われたくなくて督促できないストレス。そんなことにストレスを感じてさらにストレス。金と一緒で本の貸し借りは個人間ではやらないのが吉、だな。結局また本のことを書いてしまった。


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