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2005-08-30 『白石市史跡のまちガイドブック』/『抜取検査の考え方とやり方』 [長年日記]
_ 日曜の深酒で弱った胃が少し調子良くなったら、欝的な気分も改善した。それでまずは白石市観光協会から送ってもらった『白石市史跡のまちガイドブック』を会社に向かう電車の中で読む。『白石市史』特別史を結構丹念に読んでいたおかげで、出てきた名所旧跡の中にはもうすでに行く前から馴染み深く思われるものがいくつも。たどり着いたら冬になっていそうな気もするのだが、ぜひとも白石には最低2日かけてあちこちに行きたい。弥二郎のこけしとか鎌先温泉とか材木岩とか。
_ 会社帰りに放送大学学習センターに行き、『抜取検査の考え方とやり方』(日本規格協会)を借りた。1965年初版で、以後少なくとも20年ほどは読み継がれて来たブックレット。私の父母の世代に相当する人々が現場の作業長だったりした頃に読まれたものだ。本の装丁も当時っぽい感じがする。自動車整備工だった父が青年の頃に読んでいた実務書とよく似た装丁。抜取検査の理論に関する良書は今や手に入れることが難しい。こういった啓蒙書や草の根のQC活動などで過去に手に入れられた品質管理の技術は、その理論的根拠を正しく伝えること無く現場の人々に口伝のように引き継がれ、一方その理論をより現実の世界を表現できるようにリファインする努力はあまりなされていないのではないのか。それで、本来は十分な理論的根拠のあった上で現在にも通用している伝統的検査方式が、その根拠が今では非科学的なもののように見えている、というのはありえることだ。文献を正しく抑えておかねばQCは民俗的行事のように、その本来的意義をたどることを著しく難しくしてしまうだろう。丁度民俗行事の源流に、それが行われ始めた当時の最新の学問的根拠がおそらくはあったであろうように。本書には、全数検査をチェックするために抜取検査を行うことも重要である、と書かれている。なんだか眼からうろこが落ちるような気がした。