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けいりう堂日記

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2016-09-03 [長年日記]

_ [漫画] 白暮のクロニクル9、ゆうきまさみ、小学館、2016.

新刊。この間書いた「ドラゴン急流」は、この巻に付属していたもの。というわけで三蔵山龍の作画を担当したのはゆうきまさみさんだった、という訳。さて本編は、長命者(オキナガ)・雪村魁の兄を名乗る少年(風の姿をしているオキナガ、というのがより正確)の登場によってそろそろ終わるのかなという風情を漂わせ始めている。事実、12月8日頃発売の第10巻が最終章、と巻末に書かれている。最終章=最終回(本の場合は巻)と限らないのが連続ドラマなんかの常道なわけだが、これはどうなのだろうか。「美」=”大”きな”羊”という漢字の成り立ちのことは割と最近別の機会に認識したように覚えている。羊とはもちろん生贄の象徴であり、美とは容姿の美しさばかりでなく美徳と言う意もあるのだろう。生贄が大きいほど神はお喜びになる。もちろんこのように捧げものの大小を意識する神が人類に対して慈悲深いものであるとは思えない。あるいはそれが神の本質であるのかもしれない。いがらしみきおさんが「ガンジョリ」で示したように。


_ [漫画] 有害都市(つづき)

先日「有害都市」のことを書いたので枕もとに転がってたそれをぱらぱら読み返した。明らかに、実在するアメリカの雑誌「MAD」の表紙と見える雑誌が作中あらわれ、その創刊は、過去にアメリカで行われたホラーコミックバッシングへの反発、と描かれていた。ここに違和感を覚えたのでとりあえずウィキペディアでMADを調べてみたのだが、特にそのような動機で創刊されたという記事は無く、むしろ別のサイトで「有害都市」で、劇中起こったバッシング以降アメコミはヒロイックファンタジーばかりの画一的なものに成り果てた、と描かれたことに、アメコミファンが反発し、作者・筒井氏が謝罪した、という事実があったらしいことを知った。MAD(と思しき雑誌)の創刊にまつわるモチーフも、ホラーコミックバッシングも、さらにはここに描かれた有害図書指定の機構や焚書など、劇中で起こることは、『華氏451℃』や『時計仕掛けのオレンジ』といった過去の作品などもヒントとしたファンタジーである、ということを読み手は理解する必要があったのだが、作中多用される現実からのコラージュがかくなる錯誤を生んてしまったのだ。フィクションをフィクションと読み取ることができない読者の読解力にも問題があるのだが、本作を批判した側にはその自覚はおそらくないだろう。結局また同じことを書いてしまうが、読み手は単に受け取り手としてパッシブな立場にとどまることができず、それをどのように受け取るかと言うことに対して責任を負っている。アドレナリンに支配された批判的行動・不寛容な発言は表現活動を狭め、結局はかえって読み手の不幸につながるだろう。


_ [テレビ] タモリ倶楽部

オープニングとエンディングは先日のお尻オーディションを反映してリニューアルされた。今回の方が良いとか前の方が良いとかそういうのあまり感じなかった。消費されるお尻。今回の内容は現代音楽。楽譜見るととても弾けないような曲ばかり。現代作品、最近聴いてないな。というわけでだいぶ前に買ったクセナキスのエオンタ聴きはじめたところ。今日も日中は少々暑いが、ホットでコーヒーでも飲みながら聴くかな、と。


_ [漫画] 大江戸艶事大全 一、ケン月影、日本文芸社、2016.

今朝がた寝床の中でWiiの端末でネット見てて見つけたので注文したら夕刻にもう届いてた。この大ベテランが現在も元気に(?)お仕事されていると思うともう嬉しくてたまらない。さすがによく調べられているという印象で、参照されている雄山閣の「図録 性の日本史」も古本で格安だったので注文してしまったのだった。先だって張形に関する田中優子先生の本読んで少し知識が深まったところだったが、江戸の性具を現代によみがえらせるというコンセプトはどうだろうか?なんてこともちょっと考えてみたりして。海鼠の輪とか。


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