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2016-06-13 [長年日記]
_ 会社帰り。バスに一群の男子高校生と乗り合わせる。なぜか、彼らの間ではアニメの北斗の拳がブームのようで、ユア、ショック!と奇声を発してご満悦である。普段は不寛容な私は、なぜか笑った。何か親近感の如きを覚えたのだろう。私もこんな風な、愚か極まる男子高校生だった。それはもう筆舌に尽くしがたい愚かさだった。
_ 昨日訪ねた神奈川県立図書館の新館には、女性関連資料と名付けられたコーナーが、結構なスペースを割いて設けられていた。婦人公論を閲覧に行ったよしみで、そこも覗いてみた。新館1Fの奥まったところには、山川菊栄文庫と言うのがある。展示されている肖像写真を見ると、何とも端正な顔立ちにメガネが良く似合っている。鋭角的な顎が実は私の好みに最高にマッチしていたのでつい見とれてしまっていた。鎌倉や藤沢に棲んだ縁で蔵書が寄贈されたらしい。戦前から戦後を通じての女性運動の指導者ということなので、相応のリーダーシップを発揮していたのだろう。舌鋒鋭く理論明晰と言う文章も一度は味わってみたいものだと思う(下劣な本音を告白するならば、そういう鋭い舌鋒のやり玉に挙がってみたいようなMっ気も少々あるのだと言わねばならない。別にしなくたっていい告白なんだろうけど。男性は大人になればなるほど女の人に叱られたいという気持ちになる傾向があるようだ。だんだん叱ってくれる人がいなくなるためもあるだろう)。こういう人に付随するエピソードはNHKの朝ドラの題材にふさわしいものになるのだろうな、と想像しているがそれはまだ良くわからない。
BF1のエリアには、およそ女流の著者であれば何でも集めた、というような書籍が収蔵されている。なんとなくこれを見ていて腑に落ちない気持ちになった。明示こそしていないのだが、この「女性関連資料」というのはもとかながわ女性センターの所蔵になっていた資料とのことなのだが、とにかく女性と名のつくものであれば何でも所蔵の対象になっているように見える。では、この日本のどこかに、あるいはどこかの国に、「男性関連資料」を収蔵しているところは果たしてあるのだろうか?特に「女性」という”くくり”で何かをひとところに集めて、それで一つの集合を為していると考えられるのであれば、そのこと自体がはからずも”女性”という言葉で語られてきたことどもがどのように過去から今に至るまでに受け止められてきたかを雄弁に物語っているように思われた。所蔵されている図書の内容に目を通す以上に、ここでとり扱われる問題について、所蔵された図書のインデクスがあたかも一冊の物語であるように何かを語りかけてくるような気がしたのである。それはちょうど、考え抜かれた各章の題だけを並べた目次を眺めるとき、それらが単にその書籍の内容のダイジェストとは独立したストーリーを語りかけているように思われることがあるのと同様だ。特にそのことを批判する気はない。修行だと思ってとことん集めてみたら何かに思い至る可能性だってある。みうらじゅんさんならそういうことを言いそうに思ったりもした。ただ、そういうことであるならここの所蔵はまだまだ足りないはずなのだ。新井素子も「チグリスとユーフラテス」しかなかったし山尾悠子に至っては一冊もなかった…まてよ、実は書庫があったりして。一瞥しただけで語ってはいけないな。
_ とある人に「テラフォーマーズ」を勧められて、まあ今のところは読もうと思ってないのだが、家の中で時折見かける黒くて素早い生物がある日「じょうじ…」と語りかけて来やしないかと気になっている。それとは別に、以前から屋根裏や部屋の隅で何か小さな動くものが時折音を立てているようだ。天井裏を結構大きな音で駆けているようにも聞こえる。この小さな生き物はもしかするとネズミなのだろうか?そう思って粘着式のネズミ取りを3個ほど仕掛けてあるのだが今のところ何かが引っかかっているようには見えない。何かが発見されたらここで報告する。というか引っかかったらどう処分しようかと思って悩んでいる。やはり伝統的に水で溺れさせたのちに処分ゴミとして処理するのだろうか…。どうも幻聴ではなさそう。猫と戦わせることは…とりあえず考えたくない。