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2010-10-05 読書の秋その他。 [長年日記]
_ やっと来たと思ったら今日は夏日、あっという間に冬になるだろう。食欲に読書にスポーツに芸術にと、短い秋にやるべきことを古人はなんと多く挙げたことか。
_ NHKの朝ドラ、10月に入って見始めた。
「てっぱん」。主演の子が久し振りに若いからね。若いっていいなあ。第1回の海に飛び込む飛び込みっぷり(しかも2回!)が私のはあと♡をわしづかみにしたんじゃけえ。たまらんのうたまらんのう。ヒロインの父親役の宮迫博之の目つきがやけに血走ってるように見えてこの人大丈夫かなあと一週間思い続けていたら、あろうことかこの人は宮迫さんではなくて遠藤憲一さんだったことが判明した。似てる。というか区別がつかない。かなり前にもこんなパターンがあったなあと思ってずっと思いだす努力をしていたら、田辺聖子役を藤山直美がやっていた「芋たこなんきん」のことだった。お父さん役をホンジャマカの恵だとずっと思ってたらTOKIOの城島だった、というやつ。こっちもNHKの朝ドラだったというシンクロニシティの妙。
_ ・素人にもわかる依存症患者の判定基準=「連続飲酒発作」「離脱症候群」「問題飲酒」。私はたまたま2番目だけを自覚せずに済んでいた。就業時こそ飲んだことは一度もないが、休日となると朝から夜半まで酔っているともいないともしれない頭で飲み続けることもあった。その時はもう旨酒の味などしておらず、まるで塩水を飲み続けているような味となる。酔って良い気持ちになる代わりに飲みすぎて気分が悪くなることでようやく床に着くのだ。本書によれば、「一つずつでも当てはまれば百パーセント、アルコール依存症の患者である」とある。つまり、私が断酒を実行していることにはちゃんと意味があったのだ、となんか奇妙に安心している。
_ ・「白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけれ 歌人、若山牧水は、アルコール依存症に基づく肝硬変により、四十四歳の若さでこの世を去った。」
_ ・抗酒剤(シアナマイド、アンタビュース)は第二段階(*アセトアルデヒドが脱水酵素によって酢酸に変わる過程)を阻止する。
_ ・早期離脱症状には食欲不振や発汗、吐き気なども含まれるので、私は意識していなかっただけでやはりちゃんと離脱症状を示していたのだ。
・ブラックアウト=連続飲酒発作中の記憶喪失。…「一週間程度と思っていたが、実はその倍以上の十六日間であった」
_ ・「不幸なことに依存症の特質は自らの依存症を否定することにある」
_ [読書] 「国会議員を精神分析する」水島広子、朝日新聞社、2003.
私の中ではもう「言わずと知れた」という存在になっている水島先生が議員になって3年ほど経ったころの著作で、精神分析と言っているのは、クロニンジャーのパーソナリティに関する7因子モデルに依って特に政治家には自己愛パーソナリティの強いタイプが多いことを説いている由。クロニンジャーの七因子モデルは以下の如しと記述がある:
1)遺伝的影響の強い4つの軸
・新奇性追求
・損害回避
・報酬依存
・固執
2)環境的影響の強い3つの軸
・自己志向
・協調
・自己超越
パーソナリティをこれらの因子の線形結合のように表わすことができる、という説らしい。これらが4つと3つに分けられるのは、一卵性双生児の統計からの帰結であるらしい。明記されていないが、一つの軸、例えば新奇性追求を取って多くの人のパーソナリティに対して頻度を集計すると平均値の周りにベル型のカーブを描くというような概念図が描かれているところから推し量ると、ここで言う"軸"と"因子"は多変量解析の術語的な意味でとらえられているように思われ、そうすると各因子の独立性を仮定しているのではないかとも思われる。「自己愛パーソナリティ」に関連が深い軸は、「新奇性追求」と「報酬依存」であるとのこと。自分も国会議員のくせにこんな本を書くこと自体が自己愛パーソナリティではないのか、という趣旨の夫君の言葉があとがきに書かれている。先生は「そんなことよりも深刻な悩みがあった」と続けて肯定も否定もしていない。
_ 先日潮健司さんのことを書いたのをきっかけに、自伝(の体裁で書かれた)「星を喰った男」を古書店で購入。