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2010-10-13 リベンジ。 [長年日記]
_ [読書] 「にごりえ・たけくらべ」樋口一葉。
入手しやすい岩波文庫で購入。先日書いたけど中学の時図書室で借りて読まずに返した。あれから35年ばかり経った今、文語で書かれた文体はやはり読み取りにくいけれど、今の自分はどんなことが書いてあるのかは大体分かるようになっている。電車の中、子供が騒いでたりすると読めない。読点がごく少なく、主語も極端に少なく、会話がカギカッコでくくられていないから、動作の主体が誰なのか混乱する。タバコを吸っているのはお力なのか源さんなのか、なんていう具合に。流れるような描写は、これが20代そこそこの女性の文章なのだとはとても信じられない。五千円札のデザインになるほどのことはあったのだ。積読書はあいも変わらず山をなしているが、これを読んだら森鷗外を読み返すのも良いかな、なんて思う。文庫本を読み始めた最初が中学の頃で、確か一番初めは友達に借りたSFで、フレドリック・ブラウンが編者である「SFカーニバル」と、ペリー・ローダン・シリーズの中の一冊だったように思う。鷗外だの漱石だの、無理して読んだのが高校の頃で、炬燵に潜って単に字面を追うだけの形だけ読書に近かったように思う。読んだという実感だけを味わう偽物の読書だが、そんなところから読書の習慣がまずは作られたことは、自分の人格形成に大きな影響があったと思う。
_ 今夜のNHK・BSの映画は「アンドロメダ…」。HDレコーダーでタイトルがこう書いてあるのを見て、長いタイトルを省略表示されているのかと思ったらもともとこういうタイトルだ。映画のタイトルに「…」(←三点リーダー,ポアン・ド・シュスパンシオン)が使われているのはあまり多くは無いかも。昔は原作の日本語タイトル「アンドロメダ病原体」と呼ばれていたような記憶があるのだが、あてになる記憶ではない。
_ やはり今日も蒸し暑かった。