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2010-11-16 「コケットリーとはイエスとノーを同時に言うことである。」 [長年日記]
_ [新聞を読んで] ジンメルという名は懐かしい。
11/7日曜の日経、読書面「今を読み解く」には口コミを数値化して映像や音楽のコンテンツのヒットを予測する話題。60年代にそれに関する微分方程式が考案されていたらしいが、口コミだけを収集することが難しい。現在は口コミの代わりにブログやツイッターの書き込みを使う手法が取られているらしい。インターネットの恩恵の一つ。この日記もそのような意図で用いられているのかもしれない。東大大澤・西原研究室『未来の売れ筋発掘学』(ダイヤモンド社)は身近な会話の関連性を工学的手法によって可視化する方法に関するとのこと。普段は読書のすすめ的なものを無視しているがこの話題は気になったので横浜市立図書館で予約を入れたが、現時点で8人待ち。一人2週間できっちり返却されたとしても来年になってしまう。お年玉で買った方が良いかな。誰がくれるというのだ。同時に予約した『サーチ理論』は4人待ち。こちらも旬な話題ではありながら、ノーベル賞が敷居を高く感じさせるせいか人数がまだ少ない。
11/15、日経夕刊。夕刊を読む時間はなかなか取れないが、たまに読むといいことが書いてある。今日の日記のタイトルは社会学者・哲学者であるジンメルの言葉。私はジンメルを『愛の断想・日々の断想』を書いた人としてしか知らない。あと『寒い国から来たスパイ』を書いた人。これは別人か。記事を書いたのはフランス文学者山田登世子さん。コケットリーと言うのは女性特有のなまめかしさのこと、とWikipediaにある。参考文献に、まさにジンメルの『社会学の根本問題 個人と社会』が挙げられてた。読みたくなっちゃったじゃないか。。。関連する語に「愛の遊戯形式」。
11/16日経。社会面。初めに報酬の与えられた課題に対して後にその報酬を取り去られると、本来は楽しい課題であってもやる気がそがれるという「アンダーマイニング効果」がMRIを用いた脳の状態の可視化で観察されたという。課題が示されると前頭葉が活動し、成功すると大脳基底核が反応する。初めに報酬ありの集団となしの集団を用意して両方から報酬を取り去ると、前者のみ脳活動が低下する。アンダーマイニング効果も興味深いが、脳活動が物理的な手法で非破壊的に観察できるところがいい。
同、「やさしい経済学−データでみる非正規雇用−」。不本意型非正規就労者の幸福度の低さは慶応義塾家計パネル調査(KHPS)を用いて心身症状指数を比較すると分かる、ということをヒストグラムを示して書いている。有意差検定するとあまり違いが出ないかもという感じに見えるが。
いろいろな工夫によって昔観測できなかった量が観測できるようになっている。観測にかかれば取り組み方も開発される。科学の時代だ。
_ [読書] 『アロマテラピー』ティスランド著、フレグランスジャーナル。
科学の時代だとか書いておきながら一種神秘的でもあるこんな本を読んでいたりもする。もちろん科学の対象とならないことがらは、それを扱うための指標を現在の技術では観測できないためかもしれない。嗅覚が科学的に扱われるようになった歴史は非常に新しい。嗅覚の生理学に上のような脳生理の直接観測とか幸福度の定量化と言った手法を組み合わせると、なんか凄いことになるかもしれない。でも多分すでに多くの人が取り組んでいることだろうし、設備やノウハウなどの環境が整っていれば修論の課題なんかにしても良いように思える。この本ちょっと活字が小さくて近頃の読書には辛い。返却期限が近付いてる。古本で調達かな。
_ 凄く久し振りに野菜と茸と鳥胸肉の炒め物を大量に作った。近頃は炊事がつらい。手の爪と爪周りの皮膚が荒れている。あか切れが痛い。生味噌すりこめばさらに痛かろう。
_ なんかもっと書くべきことがあった気もするが、さしあたりゴレンジャーの録画DVDを数話見たくらいかな。モモレンジャーの太股は今宵も圧倒的だ。ジーンズのときは当然ベルボトム。
_ 思い出した。イトカワの破片、回収できてたんだってね。これではやぶさのミッションはコンプリートだ。アオレンジャー並みにクールだぜ。