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けいりう堂日記

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2023-04-01 [長年日記]

_ 4月になった。何となく本をたくさん読むということにコンプレックスを抱いて生きてきたのだけど、むしろどんなジャンルでも読めるということの方が価値あることでは無いのか,と思いつく。ラテン語でも古文書でも、数学の本でも楽譜でもプログラムでも詩集でも。陳腐かな。こんなに手間のかかる読書は無い。


2023-04-02 [長年日記]

_ 昨日寝る前に『めんつゆひとり飯』のドラマ放映が始まってることに気づいて録画を見る。もう少し早く気づけば原作者瀬戸口みずきさんのリアタイをご一緒できたのに。でも面白かった。心の十越さん(ヒロイン面堂露のいわば妄想で、露ちゃんがすぼら飯作ってると現れる)が露ちゃんの知らないことには答えられなくてちゃんとフリーズしてました。社長さんの配役がふせえり。そう来たか。やはりこうなったら『ローカル女子の遠吠え』も実写化するしか無い。ローカル番組にはしないでほしい。凛子ちゃんのママがふせえりでも構わない。


2023-04-03 [長年日記]

_ [読書] 『その昔、N市では』カシュニッツ(酒寄訳)、東京創元社、2022。

たぶんラジオで聴いて興味を持ったのだと思う。数編読んで、これらをどう味わえば良いのかわからなくて途方に暮れている。怪談とも冗談ともつかぬ数々の物語。事件は起こるが、その原因もわからなければ、何ら教訓も謎解きも無く、まるでニュースのように奇妙な出来事が語られる。で、読んでる時に、階段に重ねておいていた本やDVDが崩れ落ちてきてはっとする。この付会は、物語とは関係が無いのだった。しかしこの些細な出来事が、むしろカシュニッツの書く物語よりも自分には物語性を持っているように思われたのだった。「船の話」と「ロック鳥」を読むと、この物語たちに出てくるものたち、船に乗った妹や"ロック鳥"たちのように、まるでこの本が在るか無いのかわからないもののように思えてきた。人に読ませようとして書いたもののようには思えず、何の因果も無くただそこにあって、しかしこの世にあってはならないような不思議な存在がただ、在る。まるで無いのと同じようにそこにある。多分こんな読み方は正しく無いのだろう。正しい読み方というものがもしもあるのなら、だけど。


2023-04-05 [長年日記]

_ 夜ヨーガへ。帰り道は何だか湿度が高い。満月も雲の向こうに見えている。週末に向かって崩れていくのだ。「あやかしトライアングル」の録画見てたらなかなか面白い。何となく豚足食べた。豚足ってうっかり齧り付くと歯が折れそうだよね。


2023-04-07 [長年日記]

_ 春の荒ぶる天気の夜。疲れてしまって早々に寝床に入ったら、蕎麦屋でカツ丼食べようとする夢を見た。夢にありがちで食べる寸前に目が覚めてしまったので、明日本当に食いに行こう!


2023-04-08 [長年日記]

_ というわけでカツ丼を食べることに決めた今日なのだが、カツ煮に変更するかもしれない。まあそれはそうとして、今朝のラジオ「マイあさ」の1コーナー「ヒャダインの音楽室」で、ボビー・コールドウェルの"Heart of mine"が掛かる。この曲は、自分にとっては、暫く(と言ってもその前作"August moon"から4年)アルバムの出ていなかったボビーに再会できた、という嬉しさを伴う思い出の盤である。明るい曲調のタイトル曲は、「獅子座の男は健在だ!」と思わせてくれるものだった。その獅子座の男は先日71歳で永眠していたのだった。オリビア・ニュートン・ジョンが亡くなった時に感じたのと似た寂しさを覚える。長く生きているという事は、必然的に、好きな人々が自分より先に死んでいく、という事であり、同値であるとも言える。アルバム"Carry on"は傷心の学生時代(そういう時もあったの)にエルトン・ジョンの"Jump up!"やダミアのシャンソンと共に自分を大いに慰めてくれた。ボビー自身も語っていたはずだが、このアルバムには"Sunny hills"や"Jamica"のように恋愛沙汰ではないテーマを扱ってうまくいった作品が収められていて、今も良く聴く。DAMで歌うこともできる。ストレートのウィスキーを舐めながら(勿論大量のチェイサーと共に)古いアルバムを聴き追悼するのも悪く無い。ヒャダイン、「音楽室」の「し」の音を有声音として発音してるとこがちょっと気になる。


2023-04-09 [長年日記]

_ 昨日は結局カツ丼を昼飯に食べてから放送大学のセンターへ行ったり、そのあとジムに行ったら雨に遭ってしまったり、帰り道のラーメンの誘惑に打ち勝って銭湯で散々炭酸泉に入浴したり、キッチンで寝落ちしながら論文読んだりして、まだボビー・コールドウェル追悼の夜とはならないのであった。ポール・ランジュバンの仕事に触れなんとする夜。この大学者の名前は、高分子のゴム弾性の理論で学生時代に知ったのだった。逆ランジュバン関数をテイラー展開した最初の数項を求める計算を習った記憶もある。違う分野で、あれからかなりの時を経てまたこの人の仕事に触れる機会が訪れようとは。

_ で、そのランジュバンの論文は、1905年に発表されたものなのだが、実はこの原論文にはフランスの国立図書館の電子図書館であるガリカというサイトで閲覧できてしまうのである。当たり前のようにフランス語で書かれているが、他の一般的な教科書で良く見るような図が描かれていたり、この手の仕事の草分けであるボルツマンの本が参照されていたりして眺めるだけでもちょっとイイ。ランジュバンがボルツマンを参考文献に載せている、という事実は、学生の頃に使った教科書にあらわれた彼らの名前が、決して呪文や記号ではなくて実在した人の名前なのだと分からせてくれる。ボルツマンの行った計算をリファーするにはそのボルツマン自身の論文を、ランジュバンの理論をリファーするには当のランジュバン自身のかいた論文を、直接読んで参考文献に挙げれば良い。物理学辞典の記事を孫引きするようなことをしなくても良いのだ。学生時代には、自分の論文を書くのに使った実験器具が100年前に考案されたものと知って、何か誇らしげにその100年前の論文を参考文献に載せた。そうすると、自分のささやかな業績も確かに巨人の肩の上に立って見出したものであると実感することができた。装置の挿絵は丁寧なペン画であり,それが単に絵画としてもなかなか良いと思った。学究としては余りにも小物すぎる自分ですら、過去の偉人たちの業績を元にして何とか口を糊することができたりするのだからこのようなことに敬意を払うのは馬鹿にしたものでは無いのである。だから、読んでもいないのに参考文献の数を水増しして持論に箔をつけようとすることは絶対にできない。そして本当にそれを参考文献として挙げるためには、フランス語だろうとドイツ語だろうとサンスクリット語だろうと、何とか苦労して読めなくてはいけないのだ。僕の抱く彼らへの敬意は、しかしながら、遠からず顧みられることのないものになってしまうかもしれない。自らが何冊もの決して安くない語学辞典を用意して、100年以上前に書かれた古文書(100年前の言語なのだ。古文書と言ってもあまり問題は無いだろう)を解読するようなことは生産的であるとは考えられなくなるだろう。これは、計算機を使うコストが圧倒的に低くなり、これまでは知的作業と思われていたものの多くを計算機に任せることができるようになったためである。この流れは否応無く広大なものになっていく。AIの誤りを見破れることがリテラシーである、などという議論もすぐに時代遅れのものとなるだろう。けれども僕には確信のようなものがある。交通の技術の発達した今においても、ひたすら徒歩で道の上を歩いて行く旅には、とてもひと言では言えない大きな価値がある。これと同じようなことが知的活動においても、永遠に失われない価値として存在し続ける。僕の回答はそういう歩み方の中にあるはずなのだ。


2023-04-12 [長年日記]

_ 図書館2ヶ所ハシゴしたらすっかりトレーニングの時間が遅くなってしまった。いつものスロトレをやめて普通に1セットずつやると体が何と楽なことか。遺憾な。ドMにあるまじき行為だ。沼正三先生に謝ろう。


2023-04-13 [長年日記]

_ またもや体重が増えてきてしまった。きっと色々数値も悪くなってるだろうということで、ちょっと本気出してみるかな、とか思い始めた。まあやることは月並みなことに過ぎない。結局は過食だ何だと体に負担をかけるもとを極力減らすように工夫するだけのことだが、それが難しい。きっとエピクロスの園に学んだ先人たちも、如何にそのように生きるかと悩み続けたに違いないのだ。快楽主義とは、自らの体を労ること。甘やかすわけでもいじめるわけでも無い。そんなことが如何に難しいことであるか。彼らがアタラクシアを至高としたことには十分な意味がある。


2023-04-14 [長年日記]

_ 週末ですな。何と無く細か過ぎて伝わらない動画を見ながら冷蔵庫にモノをしまおうとしたらトマトが転がり落ちる。ヒビが入ってしまったので食べてしまったらなんか普通に美味しい。夜食にトマトってちょっと変だ。暖かくなってきたからトマトはもっと食べることにするかな。


2023-04-17 [長年日記]

_ 在宅勤務になってから特に左の股関節が痛むのだ。それが今日の夜ヨーガの後割と楽になった。トリコナーサナのおかげだろうと思う。日中もやることにしようかな。


2023-04-19 [長年日記]

_ 筋トレ後、煮鶏作りつつ鳥の蒸し焼き作りつつピーマンと魚ソの炒め物作りつつ。むむ、なんか忙しいぞ。ちなみに今日はドMコースでスロトレの最後にスロースクワット。1番最後は流石にストレッチで締めるのだけど、筋トレの最後にスクワットを持ってくるのは真性マゾの証拠なので誇らしく遂行することができる。スクワットやっとる輩なんてジムじゃほとんど見かけないよ。こんなもん家でもどこでもできるからわざわざジムに来てやるもんじゃ無い。せっかくジムに来たんならスミスマシン一択だろ。とでも思っとるのかチミらは。とは言え自分でもこれが正しいスクワットなのかどうか全くわからない。

_ そうだ、そんなことより。ふともも作家こと牧村僚先生ご推奨の『青い体験』をチラ見してたら、日本語版の声がとっても聞き覚えのある声。おお!やはり池田昌子さんでしたか!この方の声でラウラ・アントネッリがアレッサンドロ・モモの童貞を奪うヤツやりますか。なかなか激しい言葉を浴びせてて、今更だけどすごく良いものだ。オードリー・ヘップバーンの声で、メーテルの声で、アレッサンドロ・モモを…いやあ生きてて良かった、というか気づけて良かったなあ。。。こんな女性が初めての相手なら人生変わってたかなあ。いや結局変わらんか。池田昌子さんの声は国宝ですよね。


2023-04-20 [長年日記]

_ 帰宅して『らんまん』の今日の回をNHKプラスで見てたら何だかとても感じ入ってしまった。学究の端くれででもあるならば、己が理解には少なからず不安を覚える。フォン・ノイマンのような人の皮を被った悪魔でもなければ。ある時、我が意を得たと思う書物に出会う。図書館で、学校の書庫で、最近ならガリカのような電子図書館で。一つの論文の虜になって、著者はどんな人だろうと思いを巡らす。、これは恋なのだ。時として100年の時を超える恋にもなる。そして、それまで形にならなかった自分の渇望には、初めて名前が与えられる。そうなったらもうがむしゃらに進むだけなのだ。それはどんなに幸福なことだろうか。そこにグッと来たのだった。


2023-04-23 [長年日記]

_ 『波よ聞いてくれ』がドラマ化されてしまった。いいのか?w そして何とミナレさん役、小芝風花じゃん!なんかすごいのやってるな!セリフめちゃ長いし。気合い入ってんなあ!第1回とりあえず見逃さなくて良かった。いや、まあテレ朝はスーパーヒーロータイム見逃しを避けるためにタイムシフト録画してるのだけど。今期はアニメもドラマも楽しみなの多いな。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ きだ [金髪風花ちゃん頑張ってましたね。視聴決定。 スープカレーって本場の北海道ではパンでは食べないと。 漫画が原作なん..]

_ けい [視ましたか!意表をつく配役で、原作のミナレと小芝さんの共通点は長尺で噛まないところだけじゃないかなんて思いましたw ..]


2023-04-25 [長年日記]

_ 思うところあって夜ご飯が肉食主体になってるのだが、鶏むね肉の珍しい食べ方を探していて「よだれ鳥」を見つける。とりあえず適当にレシピを改変して茹でた鶏むね肉にネギだれをかけて食べる。うむ、旨し。そのうち中華料理屋でちゃんと食べてみよう。しかしこのタレ。刻みネギをたっぷり入れるのはともかくとして、これってもしかしてスタミナ源たれに酢を混ぜればできてしまうのでは。と、気づいた時に、「お、今俺って『楽で良い。楽が良い。楽しかしたくない!』って確かに思ったよな」と気づいたのだった。青森出身の4コマ漫画家に『源たれひとり飯』っていう漫画を書いて欲しいなあ。


2023-04-26 [長年日記]

_ というわけでスタミナ源たれに酢を混ぜて刻みネギで茹で鶏を食べる今宵。簡単よだれ鶏になるか?うむ?ダメだな。酢と源タレがケンカしてる。ミルクでも混ぜたら良いのかな?それは包丁人味平のケンカカレーの仲裁案だったのでは(資料無し)。まあ食えるから食うさ!

_ ↑ やはり違ったみたい。単に一晩寝かすだけだった。こっちも寝かしてみるかなあ。でももう食べ切っちゃうからな!


2023-04-29 [長年日記]

_ 「波よ聞いてくれ」第2回

というわけでリアタイで視ましたぞ。面白かったけど怖かったよ色々。ミナレさんの下の部屋には住みたくないね。ミナレさんをライバル視してるパーソナリティ、いい女だなあと思ったら平野綾だった!雰囲気凄く良いなあ。年のせいで平野綾と平野レミと平野文の区別がつかねえ!そして年のせいでもう誰が誰でも良い。

_ さらに夜更かしして、カレン・カーペンターの『遠い初恋』というアルバムを聴いたりしてる。昨年度、NHK R1で平原綾香平松愛理がカーペンターズの特集番組をやっていて、その最終回を年度末に聴いて以来カーペンターズが自分にとってどれだけ重要なミュージシャンだったかを反芻しているのだ。『遠い初恋』は1980年のあたりにリチャードの方が睡眠薬依存でまいってたころのカレンのソロアルバムで、なんかAORっぽい曲なんか入っててこんなカレンを聴いたことなかったなあなんて思ったのだった。ポール・サイモンの「時の流れに」なんかもカバーしている。カレンのほとんどメリスマの無いクリアな歌声でポール・サイモンのちょっと皮肉な歌を聴く機会があるなんて。惜しんでも仕方のないことではあるけれど、もし今も生きてたらボビー・コールドウェルや八代亜紀みたいに。ジャズのスタンダードとか歌ってたかもなあ、とも思う。きっと長いキャリアの中ではジューン・テイバーが歌う歴史に埋もれそうな伝承曲とかミュージカルのハイライトなんかも歌ってたろうな。うん、きっと『スキヤキ』だって歌ってただろう。聴いてみたかった。
カレンの歌唱は聞き取りやすくて英語のヒアリングにはとても良い、と、中学の頃に「中一時代」か「中一コース」で読んだことがある。今もそう思っている。カレンの声は女性にしては低いので原曲キーでカラオケするのはちょっと大変だ。

_ 「めんつゆひとり飯」

ドラマの方ね。お嬢様育ちの社長さん役のふせえり、何度か見てるうちにもうふせえりでいいや、というかふせえりしか見たくないと思い始めたよ。来いよ。来いよ、ふせえり。

_ 次回、なんと社長をお持ち帰りするエピソード。この話もうやるのか。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ うにゃ [TVerで見てますが、二話怖かった。伊勢路行ってたんですね。迷子にならないで帰宅出来てよかった]

_ けい [ミナレさんを見てささくれた心はめんつゆで癒してください。今回は全然迷いませんでした。もうすぐ伊勢神宮!]


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