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けいりう堂日記

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2021-03-01 [長年日記]

_ 3月。暖かい日。昨日から、読み掛けでずうっと放っておいていたバーネット『秘密の花園』の読書を再開。実はこの本は、亡き母が子供時代に読んだことがあるとかで、生前一度老いた母に読み聞かせを試みた。初めの方少しだけでやめてしまったので、その部分においてはヒロイン・メアリーはとても嫌な女の子として描かれていた。病床で気のふさぎがちだった母はこの物語を覚えていたかどうかわからないが、ある程度は興味を持っていたようだった。そして、この部分においていささか卑屈なメアリーはまるで自分のようだと言うようなことを言ったのだった。その続きを今読んでいる。イギリスの叔父の家に移り、メアリーは次第にイギリスの自然、広い屋敷の庭を遊び飛び回るコマドリ、身の回りを世話するマーサやその弟のディコン、庭師のベンスタッフとの交流、そして「秘密の花園」の発見によって健康な良い女の子へと成長していく。きっと、母への読み聞かせは続けるべきだったのだろう。深甚な思いとともに、この先を読み進んでいく。


2021-03-02 [長年日記]

_ めっさ風吹いてる夜。昼間のうちに『秘密の花園』の下巻が届いたので読み始めてる。おりしもメアリの庭にも春が訪れた。我が家の「猫の額」と称する小さな庭にも春の兆しがある。越してきてから長く咲いていた梅の木はとある理由で昨年切ってしまったのだが、その根本には無数のひこばえが伸びて、そこから二、三輪の小さな小さな梅の花が開いている。この風で散ったかもしれないが、逆境にありながらも生き続けるしぶとさのようなものを感じて好ましい。隣との境界に長く伸びていたムクロジも同じ頃切られてしまったのだが、きっとこれもまた伸び始めるだろう。彼らの営みを止めることなどヒトにはできないのだ。折り合いをつけていこう。


2021-03-03 [長年日記]

_ 日曜日以来の夜ヨーガに。おりしも緊急事態はさらに二週間の延長となった。延長料金貰わないと割りに合わないわよ。何のこっちゃ。帰り道歩きつつクラフトワークの「アウトバーン」聴いてたんだが、彼ら何だかファン・オブ・"ザ"・アウトバーンって言ってるように聞こえるんだが。後で歌詞確認するか。アウトバーンという言葉を聞くといつも、松本零士の『潜水艦スーパー99』の中の、ヒトラーは一つだけ良いことをした、というセリフを思い出す。それがアウトバーンの整備。もう、この漫画また買っちゃうぞ。それにつけても、この漫画もそうだがサイボーグ009なんかも今だに秋田書店の新刊コミックスで買えるというのは奇跡のようなものだ。

_ 追記。Wir fahr'n fahr'n fahr'n auf Autobahn、だった。やはりドイツ語だったか。代々木忠の「ザ・オナニー」みたいな間違いというわけではなかった←いや単にオナニーって書きたいわけじゃなくて、ホントに他に例えを知らんのですわ。まあともかく、クラフトワークの「アウトバーン」ではミニモーグというシンセサイザーが使われている。富田さんの『惑星』でも時々出てくる、ラジオの雑音みたいな音が聴けるとなんか懐かしい感じもして、モーグを使った音楽、いっぱい聴きたいなと思う。「ヒロツクの子持ち昆布」の歌とか。というか、ジャン・ジャック・ペリーの曲なんだが(『モーグ・センセーション』はアマゾンミュージックで聴ける)。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ うにゃ [おりしも・・「り」と「し」を反対に読んでた。ハハハ]

_ けい [お尻にご興味がおありですか!さすがはビッチの称号を持つお方!日本語だとanusもhipもお尻ですけど、さてどちらにご..]


2021-03-04 [長年日記]

_ おっともうすぐ日が変わってしまう。かの震災から10年ということでNHKラジオではその他の話題が続いてる。その中で、災害がおいたらどう復興するかを事前に考えておくことが大事ではという話題があった。なるほど。個人の危機管理にも有効かもしれない。大災害が来たらどうするか。がんになったらどうするか。DQNに絡まれたらどうするか。いろいろシミュレートしておくと何かの時に役立つかもしれない。クマにあったらどうやってクマを倒すか、とか。それは武井壮だな。


2021-03-05 [長年日記]

_ あっつーまの週末。雨の中夜ヨーガへ。この頃やってないけど、以前ゆるゆるとランダウの力学読んでたのが、あろうことか最近役に立ち始めている。ラグランジアンの有り難みよ。←なんか「○○み」っていう言葉の誤用がまかり通ってるせいて、これも間違ってんじゃないかって思っちゃう。もうすぐ『秘密の花園』読み終わってしまう。次は少し歴史とかの本読むかな。。。どうせ『街道の日本史』とか、だけど。


2021-03-06 [長年日記]

_ 土曜、朝。『秘密の花園』読了。訳者・山内玲子さんの「訳者あとがき」によれば、この時代には、心の中を良いことで満たせば健康になる、といった類の「新思想」と呼ばれる考え方があったのだそうで、メアリとディコンたちの影響ですっかり健康になった屋敷の坊ちゃん・コリンが、センチメンタルな長旅から戻った父親に「秘密の花園」で"再会"する最終章の中で語られている。ヨーガの瞑想にも通じるところがあるなぁと思いつつ、この「新思想」のことを知りたいと思ってネットで検索してみるが、真っ先にヒットしたものは山上たつひこの『喜劇・新思想大系』だったりするのだった。バーネット夫人の伝記を読めば、何か手がかりが得られるのかもしれない。

_ とはいえ、次に読むべきものは思い切りジャンルを変えて、人物伝、なのであった。実はもうずいぶん前から、読書はジャンルに分けてローテーションで読むように心がけていた。参考書と漫画と雑誌は別。そのローテーション表を改めて見てみると、児童文学と人物伝が入ってなかったのだ。それを追加。児童文学はちょうど『秘密の花園』を読み終わったばかりなので、人物伝。その次はMiscと書いてあるので、何読んでも良いことになっている。で、人物伝だが、我が家には女優の田中絹代、物理学者ポール・ランジュバン、品質管理のJ.ジュラン、J.S.バッハ、シベリウス(フィンランド語の英訳版)、モーリス・ラヴェルなどの人物伝の本がある。生きている人と話すのはあまり好きじゃないが、映像も本も曲も、作者や演者などで求めることが多い。じゃあAVも女優や監督で決めるのかって?あ、いや聞かれてないかw なので、人物伝を読むのは好きな方だ。人の成したことには必ずバックグラウンドがあるから、そのバックグラウンドあってのその人でありかの作品であるとわかると妙に腑に落ちた感があるからだ。で、映画監督・進藤兼人の筆になる『小説田中絹代』を読み出した。「小説」と書いてあるのだからフィクション部分も含まれているのではないか。おっと、もう一つジャンル付け加えとくべきだった。エロというジャンル。官能小説がメインになると思うが、私は『毛皮のビーナス』も『ガミアニ』も『ファニー・ヒル』も未読なのだ。名作と言われるエロを読んだことがないようでは助平でい続ける資格がないではないか。

_ 夜。あっぱれ!Kanagawa大行進、撮って出しを再開。今日は横浜市から。うちの近くまで来てたようだ。田中屋の鴨せいろそば、食べに行きたいな!


2021-03-07 [長年日記]

_ 寒し。新たな戦隊シリーズ「機界戦隊ゼンカイジャー」はじまる。と、実はもうホント久し振りに録画失敗でござる。どうも、昨晩50Gのディスクに録画していた「BS世界のドキュメンタリー」を視てて一時停止のままにしてたのがいけなかったのではないかと。ともかく、昨日の夜から今日の午前中にかけていくつかの番組が録画されなかったのだ。うち「かながわ旬菜ナビ」とETV特集は再放送があるので良しとするとして、耐え難いのは仮面ライダーセイバーとこの機界戦隊ゼンカイジャー。仕方無くどちらもTerasaで視聴。おお!今度の戦隊の真ん中、全然赤くないばかりかそれ以外のメンバー、皆人間じゃなくて4体のロボット(キカイロイド)だ!。これはいったいどういうことになるんだ!榊原郁恵もどうなるんだ!エンディングダンスは今後も無いのか?!今回戦隊シリーズからグラビアアイドルは出ないのか!目が離せん。


2021-03-08 [長年日記]

_ 今日も寒うござんした。仕事の休憩時にちょいちょい『小説 田中絹代』を読んでた。無声映画の頃からの日本映画の歴史なんかもちょっとわかったりして面白い。著者・進藤兼人さんは明治45年という大正時代とのちょうど境目に生まれた人で、関東大震災の頃は12歳という勘定になるから、その頃の記憶も鮮明だったろう。その翌年に蒲田の松竹撮影所が再開となり、田中絹代も大阪からこちらに移る。そんな辺りまで来た。当時はまだ無声映画の時代で、初のトーキー『マダムと女房』の話がこれから、というところ。
今でも感謝してるのだが、私が中学の頃には、必ずしも豊かで無い我が家に日本大百科事典「ジャポニカ」があった。多分親が頑張って月に一冊か二冊ずつ買って全巻揃えたのだと思う。好奇心旺盛な中学の自分には今のインターネットのように多くの有益無益な情報を与えてくれた。エッチな項目はもちろん喜んで読んだ。図版も多かったので何かにつけて紐解くのは楽しみだった。その中に、映画という項目があり、『マダムと女房』の一場面が載っていたのは忘れられ無い。どうということのないシーンだが、日本初のトーキーというキャプションがあってよく覚えている。他にも世界初のトーキーとして、白人の役者が顔を黒塗りにして歌っている『ジャズ・シンガー』の一場面、アニメの代表としてポール・グリモーの『王様と鳥』(当時のタイトルは『やぶにらみの暴君』)なども載っていた。そうそう、ジャン・ポール・ベルモントの『勝手にしやがれ』の写真も載っていたっけ。百科事典は、社会人になったら是非とも自宅に揃えたいと思っていたのだが、いつのまにか紙での出版はされなくなってしまった。こういうものを失ってしまった世界は今、少し貧しく見えなくも無い。我が家に紙の百科事典が揃うことはこの先ないとは言い切れないな。でも何故か『日本語大辞典』が二階の踊り場に全巻置かれてる。ホントにちょっとしか参照してないが、古いものを時間をかけて読めるようになったら大活躍してくれることだろう。


2021-03-09 [長年日記]

_ あったかかったようだが昼間外に出てないのでわからず。在宅中にちらりと衛星放送を見てみたら、私のライブラリに無い『禁断の惑星』が放映されていた。録画できず残念。それはそうと、7年前に交換したウォシュレットが不調でしばしばお尻洗浄が機能しなくなってきた。已む無く替の便座を購入したのだが、届いた途端に調子が回復した。まあストックにしとくしか無いが、少々嵩張るのが難。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ きだ [だんな、禁断の惑星録画しましたぜ。ロビーを見てみたくて。w ペーパーのみならずウォシュレットまでストックされてるな..]

_ けい [流石です。録画はどうせしばらく見ないんで見たくなったらレンタルしようかなと。SF少年だったのに未視聴な自分は笑って許..]


2021-03-10 [長年日記]

_ 良い天気だったっぽいが、わからず。夜ヨーガへ。久しぶりにハヌマーンアーサナ(前後開脚)が入る。あと、ウォーリア(ヴァラバドラーサナ)の3からアルダ・チャンドラーサナ(横向きで片手と片足で立つやつ)に入ってまたウォーリア3に戻る、と言うのをやった。その時はちょっと疲れるんだけど、最近ヨーガのアーサナで筋肉痛になることが少なくなった気がする。先週やったウシュトラーサナは腿の前側が少し筋肉痛になったが。よく晴れてるのに空の星があまりはっきり見えない。春だ、と感じる。


2021-03-11 [長年日記]

_ 考え事してて日付変わってしまったが、3/11の日記。3.11。長年日記で当時のことを反芻。過去の地震のデータを地質学や歴史学から解析すると、数百年のオーダーで3.11並みの大地震が起こっているとのこと。それは串本の沖だったり千葉の沖だったり、千島海溝だったり。スーパーサイクルと呼ばれてるらしい。そういう国土の上にに棲んでいるのだと言えばそれまでだけど、生きてる間にもう一度、それも極近くで起きるような気はしなくも無い。備えはできてはいない。せいぜいかつお節入れたリュックを背負って避難するくらいしか。


2021-03-12 [長年日記]

_ 日付変わっちまって0:53の書き込み。なんかずっとやってた計算に自信が無くなってしまっている。今日はもうおしまい。タモリ倶楽部の録画み始めてる。久しぶりの空耳アワーなんだが、冒頭に映ってる葉書の筆跡が、なんだか自分の筆跡に似ているように見えるのだ。でもネタ送ってたのはかなり前だし、やはり違うかなとも。ちなみに採用されたことはただの一度も無かった。


2021-03-13 [長年日記]

_ 今日も日付変わってからの書き込み。皆さんは、「玉ぶりぶり」をご存知だろうか。毬杖(ぎっちょう)などとも呼ばれて、球を棒で叩いて遊ぶもののようだ。この言葉は、高校時代に谷村新司の深夜放送セイヤングで知った言葉で、その後日古語辞典で調べると、何やら男の子が六角柱状の棒に、紐で繋いだ球をぶつけながら遊んでいるような挿絵が描かれていた。それを知って、さらに後日、当時まだ同好会だったアニメーション部のミーティングでたまたま話題にしたら、しばらく私は「玉ぶりぶり」と呼ばれるようになったのであった。玉ぶりぶりの本質もわきまえず(今だってわからない。何しろ平安の頃の子供の遊びだ)、でもその挿絵が面白かった。当時、買って読んだ文庫本には購入何冊目かを示すナンバーリングを示すシールを貼っていた。初めはカバーに直接貼っていたが、それだと当然カバーが痛むので、トレーシングペーパーでさらにカバーをしてその上にナンバリングのシールを貼るという手の込んだことをしていた。そのシールに、自分を示すアイコンとして玉ぶりぶりを描き込んでいたのだった。そのシールを貼っていた文庫本が今宵たまたま目についた。ナンバーは037。E.E.スミスのレンズマンシリーズ第一巻『銀河パトロール隊』だ。ドギツイカラーリングと単純な線で描かれた真鍋博さんのカバー絵・口絵は衝撃だった。今見ても新鮮だ。画集買おうかな。E.E.スミスは「ドク・スミス」などとも呼ばれていた。何のドクターかと今ウィキペディアで調べてみたら化学工学で、D論は食品工学に関するものだったらしい。そんな高校時代の私は何となく「ドク」と呼ばれることに仄かな憧れを抱いたはずだった。そして後年その憧れは現実のものとなる。奇遇にも、博士論文のモチーフには食材として広く用いられているゼラチンが使われている。ゼラチンに関する思い出もなかなかのものがあるが、この符合をしみじみと想っている夜。

追記。前日悩んでいた計算には一転して明るい見通しがついた。計算の途中で散歩に出かけたらその途中で解法の道筋らしきものを思いついたのだった。帰宅して鈍い頭で計算を続けてみたら、散歩中に予想したよりも遥かなシンプルな結果になった。寝て起きた後にもう一度確認してみよう。何しろ最近、計算過程をたどり直す度に必ず一つは間違いを見つける有様。散歩中にアイディアが湧くことはよくある。逍遥学派は今も生きている。


2021-03-14 [長年日記]

_ にちよーび。スーパーヒーロータイムも見ずに学習センターに論文取りに行った。気になってた論文だったが、期待したほどには式の導出を丁寧には書いてくれていないのだった。ともあれ考え方は確認。アマゾンで『重版出来』の最新刊が昨日届いており、昨夜に半分、今朝にもう半分を読んで読了。漫画のキャラとのタイアップと刀剣女子なんかへの売り込みを期待して、本格的な刀剣図鑑を制作・出版する話がある。社内文化局のベテラン編集者の妥協を許さない企画の出し方もさりながら、どんな置き方をしても部屋の中の飾りとして成立するような装丁案に対して制作サイドの人が、小口を下にしておくとページが背から抜け落ちる可能性に気づいて注意書きを添えることを提案。彼曰く、編集はページを開いた時の印象で本を作るが、本は閉じられている時間の方が長い。制作の自分はそちらにも配慮して本を作りたい、とかなんとか。ここが自分には刺さった。自分には何10年のオーダーで持ち続けている本は多く(何と学生時代に青焼のコピーをしたものを自分でレザック紙で装丁したものまである。そう言う病気なんだから仕方無い)、それらにも近頃目を向ける機会が多いのだが、何しろ本の状態を保つことは難しく、図書館関係者向けの「本の修理の本」なんか見ても処置なしと思えるような状態の本も多く、しかもそれらは捨てられず、さらにはその古い悪状態の本が20年後にちょっと役立ったりすることがあるものだから問題は最悪なのだ。積読にも愛を、と言うことだろうが、これを自分流に言い直すと「愛してるから積んどくんだ」というねじれた愛情になってもいる。何かサディストが「愛しているからお仕置きするんだよ」なんて言いながらマゾヒストのパートナーに対して暴虐の限りを尽くす様にも良く似ているようで、書いてて恥ずかしくなりました。


2021-03-15 [長年日記]

_ 今日も昨日も"機械にやらせる方"じゃ無い計算をシコシコやっておりました。結局先日ウォーキングしながら思いついた計算はかなり間違っていてやり直し。手計算は見直す度に間違いを見つけるので、やり通すのは自分には大変なことだ。こう言う作業って基本的に誰かに転化はできないので、ひたすら自分の無能さと向き合う作業になってるなあ、なんて思う。謙虚さを学ぶには良い修行、と言えるかもしれないがハードな修行も人を誤らせるから油断できない。


2021-03-16 [長年日記]

_ 日付変わって。ラジオ深夜便ではドビュッシーの曲が次々かかる。今、「ドビュッシーの『白鳥の歌』」と紹介された、グリュミオーとハイデュの奏でるヴァイオリン・ソナタが流れている。好きな曲。奇遇と言って良いと思うが、日曜には「音楽の泉」でチッコリーニの「ベルガマスク組曲」が流れていた。チッコリーニの演奏には、AMラジオの音の悪さもあってか、どことなく拙い印象を受けた。ウィキペディアでは「若い頃は速弾きの雄」とあり、そういうエピソードとベルガマスク組曲のニュアンスは、それだけのことで想像すれば相性が良いとは思えない。あるいは、かのギーゼキングの名演の印象があまりにも強すぎるのか。その時思ったのは、「なら、サンソン・フランソワはどう弾いていたのか?」ということだった。フランソワの弾くラヴェルのピアノ曲、とりわけ「クープランの墓」が大好きだ。今日届いたCDで、終業後にうたた寝しつつ気持ちよく聴いたのでまだ印象は言葉にできないが、ラヴェルの演奏に比べると少し影のあるところを感じたのは、ライナーノートに書かれた解説の文のせいかもしれない。繰り返し聴きたい。ラジオ深夜便のクラシック・コンサートもついに終曲。「月の光」。ストコフスキーのオーケストラ版。


2021-03-18 [長年日記]

_ 昨日日記書けなかった。今日ちょっと面白いことに気づいた。人の間違いを怒る人って、いますよね。私もどちらかというとそうです。意図的だったりあまりにも配慮が足りなくて起こした間違いは叱責されるべきだけど、過ちは人の常とも言います。誰にでも間違いはある。で、その間違いを怒る人というのは、結局誰にでも怒る人、ということになる訳です。もしも人のしでかす間違いが、例えば時間的にランダムに起きるとすると、間違いの起こしやすさをパラメータとしたある種の確率分布で表わせるので、それに対して怒る人というのは、結局確率的にランダムに怒っている人、という訳です。それが、間違いの発生頻度を減らす方向に働くかどうか。ランダムに怒っている人の言葉が人の行動を変えるかどうか。何か書いてみたら大した思いつきじゃなかったな。でも今日は他にネタもないので。


2021-03-19 [長年日記]

_ 本日はなぜか休暇なのですよ。さて、いよいよウォシュレットの調子が悪くなったので、兼ねて用意の新品に交換を実施。たぶんウォシュレットの交換は3度目くらいだと思う。配管の時にフィルタやパッキンを落として紛失するのを注意深く避けつつ、しかし配管にたまった水は床にべちょべちょ滴らせつつ、完了。恒久的な完了であって欲しい。つまり恒久完了。あれは高級官僚か…。そのあと充電できなくなったMacの修理状況を確認すべくりんごさんにサポートチャット。月末までかかるようだった。しばらくは自宅でやるよしなしごとはWin10 PCでやることになるのだが、ディスプレイがテレビと兼用なのでテレビつけながらの作業ができないというあたりが多少不便。


2021-03-20 [長年日記]

湘南ゴールド。 ウォーキングのついでに横浜の高島屋で買おうかと思っていたら途中売っているところがあって購入。初めて食べた湘南ゴールド。片手でOKマーク(昔は薬局でこうするとコンドームが買えたらしい。どうでもいい)作ったらその丸のところにすっぽり入るくらい小さい。少し皮剥きにくい。でも旨い。その後ジムで筋トレ。筋力は落ちてないが体力が落ちていた。帰宅後、また東北で地震。うちも少し揺れた。

2021-03-21 [長年日記]

_ 嵐。夜になって雨止んだが風がある。生温い風。春の嵐ってやつだな。夕ヨーガ、背骨にみっちりとアプローチしてくれたおかげで股関節が楽になった。なんか少し効いてるところ違うかな。インストラクター先生は、脊椎の何番がどこどこの臓器と繋がっているかという図を持参してくださったのでクラスの後に見せていただく。概ね近い位置の臓器を司っているわけだ。ついでに、後屈で伸ばす位置も尋ねてみた。「この位置ですけど後屈できてますよ(←俺のこと)」と。良く見てらっしやる。。あるいはこっそりブラを装着してホックの位置(そこから反るつもりで、と良く色々なインストラクター先生がおっしゃるのだが)を確認したのがバレたのかも知れぬ。わはは。おはぎ一個食べた。

_ 近藤ようこ『高丘親王航海記』が届いたので読み出す。澁澤龍彦さんの原作を読んだのはもう随分前だ。藤原薬子が幼少の高丘親王と同衾している時に親王の小さな睾丸を指で揉むというエロス以前のエロティックな場面を原作に忠実に描いてくれたのはとても嬉しい。コミカライズのことを知って以来一番気にしていた場面だった。


2021-03-22 [長年日記]

_ げつやうび。遊びで、というわけでもないんだけどシコシコと数式書いてたらなんか見覚えのあるやつが出てきた。なのにそれが何なのかまるでわからない。過去に一度だけ見たことがあるんだろうか?他人の空似だろうか?答えは持ち越し。


2021-03-23 [長年日記]

_ 『私が見た未来』とかいう絶版漫画が話題らしく、甥の人が読みたいらしいと弟その一からメール。持ってないです。全ての漫画があるわけじゃない。ちょっと読みたくなったが国会図書館にさえ所蔵が無いようだ。富士山が噴火するとか物騒なことも書かれてるらしく、一種の予言書のように思われているらしい。そんなことより、早く「ゴージャス・アイリン」OVAにならないかなあ。なる見込み今のところ全く無いが。「私、残酷ですわよ」ってアイリンに言われたい。


2021-03-24 [長年日記]

_ 日付変わった。山田芳裕『望郷太郎』新刊読む。他は特に無い。


2021-03-25 [長年日記]

_ 仮定を明らかにしておけば正しい解に至る、というのは、現実世界には必ずしも多いわけじゃ無い。だけど稀に、そういう素性の良い問題に行きあたることがある。ただ、そんな正解に辿り着くための道が短いとは限らない。でも、それは正解は一つじゃ無い、みたいなこととは全く違うのだ。素性の良い問題に出会ったら、自分を偽るわけにはいかないし、計算機の補助を借りることはできても計算機だけの力では解けないかも知れない。それでも、必ず一通りの正解があるのだと気づいたら、やはりそれを目指すしか無いのだ。難問では無い、答えがあることは分かっているのだ。その答えに辿り着けないのは自らの無知無能の証拠であり改善していくより無い。そのためにはまず、その問題が正解は一つじゃ無いという真の難問なのかそうで無いのかを峻別する必要がある。

そうは言っても、計算機で検算のできる今の時代は良い。自分のようにノートを見直すたびに自分の計算ミスを見つける人間にとってはそれなしに進むことはできない。本当に紙と鉛筆だけで仕事を完結させた先人の仕事には驚きと感謝しかない。


2021-03-26 [長年日記]

_ あれ?「ゆるキャン」の録画見てただけなのにいつのまにか日付変わってた。久し振りに時を駆けてしまったか。昨日修理中だったMacBookが帰ってきたので嬉しい。早速OSのアップデートだ。放っておいた同時確率分布のことを再度考え始めている。

お気に入りボルツマン  ボルツマン『気体論の講義』の安いペーパーバック版をアマゾンで購入。一応著者フォローしといたので、ボルツマン先生が新刊出したらいち早く買うことができると言う訳だ。1906年に亡くなられてしまっているけれど。

_ トイレのブルーレットの付け方間違えたら一夜で空っぽになったでござる。ショックでかの助。


2021-03-27 [長年日記]

_ 久しぶりの長距離ご近所ウォーク。桜満開の場所もある。暖かい日。RMarkdownがなかなかの威力でドキュメンテーションなんかに役立ちそう。PDFに落とすのがうまくいかないが、HTMLに落としてからブラウザの印刷機能使えば何とかなる。


2021-03-28 [長年日記]

_ きのうで「あっぱれ!KANAGAWA大放送」のデビさん最終。久々に登場した久本アナの謎の「ばかー!」の叫びと、赤間アナが収録帰りのバスで随分とデビさんに厳しく指導されたらしきことの暴露と、デビさんの男泣きで終了。次は誰が回すんでせう?

ゼンカイジャー、よく見たらエンディングじゃなくてオープニングでダンスしてた。新しいなあw


2021-03-29 [長年日記]

_ 今日の伊藤みゆきちゃんの「お天気ワンポイント」は、「雨上がり 4つのKに気をつけて」。春というと強風、花粉、乾燥、黄砂という話もあるが、今日のみゆきちゃんのは強風と乾燥の代わりに霧と気温上昇、だった。確かに日中少し暑かった。みゆきちゃんのいうことは信じて良い。夜、ヨーガ。かなり良かった。


2021-03-30 [長年日記]

_ 今日のひとこと。

「ゴ、ゴルゴって声高かったんだな」

本日は午後半休取って学習センター行ってきた。平日の昼間なのになんて人出が多いんだ。

_ ひとごこちの夜。「プロフェッショナル仕事の流儀」で故・志村けんさんの番組が流れる。確かに、鬼気迫るコメディアンの覚悟の如きものは伝わった。この先志村けんの稀代のコメディアンとしての評判は本人の実の資質を超えて上がっていくのだろう。これはこれで自分もまた歴史の証人となったということである。などと、『小説 田中絹代』読んでる影響でそんなことを思った。


2021-03-31 [長年日記]

_ 3月最終日。今日の夕刻は、市立図書館に予約してた本を取りに。ボルツマン先生の『気体論の講義』である。思ったより分厚く、去年の12月に出たばかりの和訳で流石にまだ新刊が定価で売られている。売られているが、7000円を超える。それでとりあえず英語版のペーパーバックを少し前に注文していたのだが、今日図書館で借りた和訳版を見て、これは買う以外に道は無いと思い知ったのであった。今少しやっているのは太陽の脇を通り過ぎる彗星の軌道みたいな計算なのだが、天体とは違って言わば反重力のような力が働いているので彗星は太陽に近づけば近づくほど弾き返されるような軌道を描くことになる。大概の本には太陽に向かって来るその星の軌道が、太陽にまっすぐ向かうのではなく距離bだけ逸れた向きで近づいてきたら、太陽を通り過ぎたあとの軌道はどのくらい弾かれることになるか、という問題を掲げてそれを解く。このbのことは衝撃パラメータとか衝突パラメータとか呼ぶのだが、どの本も一様に記号bで表しているのがちょっと不思議だった。しかし今日わかった。この本でボルツマン先生が何と同じ記号bを使って問題を解いているではないか!これが初出かどうかはまだ私にはわからないが、初出である可能性は高いと思う。その記号を使って自分も同種の、ただもっと簡単な、問題を解こうとしているのだ。そう思うとやはりボルツマン先生には自分たちも大きくその影響を受けているのだなあ、なんて改めて思ったのだ。これはこちらから向こうへの一方的なものではあるが「絆」と呼んでも良いのでは無いか。親しげに会話したり、いつもつるんでいることなんかよりもずっと確かに思える繋がりだ。時空を超えて人を繋ぐものは思想なのだ。ボルツマン先生が生きた時代、必ずしも分子が運動しているということは常識では無かった。著名な物理学者にも原子・分子の存在を認めない人はいた。気体とは分子が激しく運動している状態なのだということは、深い洞察と自然の観察によって古代ギリシアの哲人たちがもたらした自然の見方、つまり思想だった。近代の科学者がその思想をさらに精緻に表現して今に至っているのだ。ルクレチウスの残した詩に書かれたその思想を発見したときの寺田寅人先生の驚嘆に思いを馳せる年度末となった。

_ 遺憾遺憾、大事なこと書き忘れた。ゆうきまさみさんのロングインタビュー、今日届いた。読むの楽しみー。


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